アウディRS5がモデルチェンジ 解説、新型はどう変わった? 試乗記も

公開 : 2017.12.14 18:40

駆動システム

クワトロ、コーナーでも威力

クワトロシステムは、通常フロントに40%、リアに60%のトルクを配分。やや後輪駆動の雰囲気を残し、最大で85%のトルクが後ろにいく。

RS5クーペのクワトロシステムに組み合わされるのは、セルフロッキング機構を備えたセンターディレンシャルギア。リアディファレンシャルには電子制御式多板クラッチを使ったスーパーポジションユニットを組み込んでいる。

ねらいはコーナリングをよりスムーズにより速く行わせること。ワインディングロードなどでは後輪にスタンバイのトルクをかけていることで、タイトコーナーなどでのトルクコントロールが迅速に行えるのがメリットだ。

絶えずコンピューターでトルク配分を計算しているこのユニットは、タイトコーナーでは外側の駆動輪により大きなトルクを配分して車両をカーブの方向へと押しやる。結果、ニュートラルステアに近づき、トルクを有効に使った、つまり速いコーナリングが可能になるのだ。

外装

クーペならではの華やかさ

アウディRS5クーペの実車を見て思うこと。第一にスタイリングの華やかさが強く印象に残る。現在A5ラインで最もスポーティなRSモデルが設定されるのはこのクーペだけ。

全長4725mmと扱いやすいサイズの車体に長めの前後長をもったルーフが組み合わされている。プロポーションがいいA5クーペの長所が活かされている。リアクオーターウィンドウの伸びやかなグラフィクスがいいかんじだ。

アウディのデザイナーがうまいなあと感心するのは、ちゃんと4人乗れるパッケージをもったオリジナルのクーペボディを活かしつつ、エアロパーツの付加と、ディテールまで気配りされたカラーリングで、唯一無二の存在感を実現しているところだ。

とくに試乗車はミラノレッド(パールエフェクト)という赤色系の外板色で、ふつうの赤より朱色に近いあざやかな発色が特徴的だ。クロームとグロス(艶あり)ブラックのアクセントとともに、かなり目を惹く仕上げである。

内装

気分が盛りあがる演出が随所に

内装も同様だ。ドアを閉めると見せられないのが残念だというぐらい、スポーティでかつほかにないキャラクターが確立されている。

スウェードとスムーズ、2種類の表面処理されたレザーを組み合わせて、レーシングカー的な雰囲気を盛り上げてくれる.クルマの価値にふさわしいアウディスポーツの入念な気配りだ。

エンジンをかけるときも心躍る演出が目をひく。シフトレバー脇に設けられたエンジンスタートボタンを押すと、抜けのいい爆発音が気持ちよく響く。

アウディバーチャルコクピットとよばれるTFT液晶による計器類が出現して、針がレッドゾーン近くまで回り、次に通常の画面が表れる。赤が基調なので、オーナーは毎回気分が盛り上がること必至だろう。

手の平に吸いつくような横長のユニークな形状のシフターを手前に引き寄せるようなイメージでDレンジに。ティプトロニックとよばれる8段のギアボックスでファーストギアが噛み合ったイメージを頭に持ちながら軽めのアクセルペダルを踏み込む。そうすると次の瞬間からRS5クーペのとりこになってしまう。

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