ある男の物語 65年前のポルシェで自走、ドイツへ 実現したワケは

公開 : 2018.11.27 18:40

ユーラシア横断旅行を控えて、356のために用意したものは

遡ること8年前、ジーロ・デ・軽井沢に出場した際、鈴木さんは副賞としてスーパーゾイルを手にした。

その時に元レース・メカニックのクラブ仲間から、オイルと添加剤ともスーパーゾイルは評判が良いと聞いて、自分の356に初めて使ってみた。

多くのクルマ好きが知るようにそもそも「油冷式」といわれるほど、フラット4かフラット6を問わず、空冷エンジンのポルシェが常日頃から厳密なオイル管理を要するクルマであることはいうまでもない。

「わたしは添加剤の効果を信じるタイプでは全然ありません。でも、その数年後に知り合った佐藤さんも356乗りで、こんなに真面目なひとが作るものなら、信頼できると思った」

実際、スーパーゾイルには、化学合成油ほど薄過ぎない油膜を形成しつつ、金属面の再生を促す効能がある。それは現代のクルマよりも摺動パーツ同士のクリアランスがずっと大きく、走行距離が伸びるほどオイルを消費しやすいヒストリックカーに必要不可欠の特性だ。

しかも、スーパーゾイルにはオイルの酸化をできるだけ防ぐ添加剤も用意されており、そのオイルとの組み合わせで最大限の効果を発揮する。

鈴木さんと356にとって、日常的な使用にはもちろん、スーパーゾイルは今回の長距離行に理想的な選択肢だったのだ。

最終的に鈴木さんは、スーパーゾイルの4サイクル用オイルを10ℓ、添加剤を1本、今回の旅に携行していった。そしてモスクワのポルシェ・センターでオイル交換するスペースだけ貸してもらい、作業する手筈となった。

「事前に連絡してもらった限りでは、旧いポルシェの整備は手がけていないところだと聞いていたんです。けれども、いざ着いてみたら興味は示してくれましたね。場所を借りてぼくがオイル交換の作業を始めると、現地のメカニックがちゃんと傍について見ていてくれて、いいタイミングでオイルの受け皿を置いてくれたり、ウエスを渡してくれたり。言葉は通じなくても、シベリアの荒野を渡ってきた後でしたから、そうした阿吽の呼吸がすごく嬉しかったですね」

そこから先はモスクワから西へ進み、ラトビアからEU国境を越えた。ノーマル以上の効果を期待するというより、壊れないこと、トラブルのない道中の安心や安全を担保してくれること。それこそがオイルに求められる信頼性そのものといえる。

「じつは順調のあまり、予定より3週間も早くゴールしそうで、東欧に差しかかる手前からペースをセーブし始めたんです。それでもオーストリアのグミュントに着いた頃はまだ、ゴール日と決めていた6月8日から2週間も前でした」

「でも、そこで信じられない経験をしたんです」

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