アウトドア/オフロード・ユーザーにも! いすゞD-マックスへ英国試乗 コスパ優秀 オンロードも◎

公開 : 2024.08.07 19:05

いすゞで唯一乗用車カテゴリーに属する、ピックアップトラックのD-マックス 想像以上の悪路性能 充実装備でコスパに長けた選択肢 褒められるオンロードマナー 英編集部が評価

競合より明らかに安いD-マックス

いすゞは、商用車メーカーとしてだけでなく、アウトドアやオフロード志向のユーザーにも訴求する「ライフスタイル」ブランドへ変わろうと欧州で務めている。フォルクスワーゲントヨタなどと肩を並べるべく。

そんな同社で唯一、乗用車カテゴリーに属するのが、ピックアップトラックのD-マックス。ビッグホーンやヴィークロスは、すっかり過去のモデルになってしまった。

いすゞD-マックス・マッドマスターV-クロス(英国仕様)
いすゞD-マックス・マッドマスターV-クロス(英国仕様)

D-マックスの強みは、トヨタ・ハイラックスやフォルクスワーゲン・アマロックなど、競合より明らかに安いこと。ディーゼルターボの堅牢なピックアップでは、英国の最安値に位置する。

5年間か20万kmの保証が付帯するのも魅力だろう。18インチ・ホイールにオフロードタイヤ、タッチモニター、シュノーケルなどを装備すると、相応にお値段は上昇するが。

英国でのエントリーグレードは、現場仕様のユーティリティ。ローレンジ付きの四輪駆動で、オートヘッドライトに16インチ・スチールホイール、クルーズコントロール、ヒルディセント・コントロール、ブルートゥース対応ステレオなどが備わる。

ハイラックスやアマロックなどの購入層を受け止めるのが、V-クロス。9インチのタッチモニターが与えられ、シートはアップグレードし、エアコンはデュアルゾーンになる。オリジナルのキャンプキットも選べる。

トップグレードが、アークティック・トラックスAT35とマッドマスターV-クロス。ウインチとLEDライトバー、シュノーケル、20インチ・オールテレーンタイヤが組まれる。

ディーゼルターボは164ps インテリアが強み

どのグレードでも、英国仕様のエンジンは164psと36.7kg-mを発揮する、1.9L 4気筒ディーゼルターボで共通。6速MTの他、アイシン社製の6速ATも選べる。荷台の最大積載量は、1000kgとなる。

キャビンは、1列シートのシングルと、2列シートのダブルから選択可能。2019年に発表された3代目は、2023年に小改良を受けている。フロントグリルは存在感を増し、バンパーもデザインが改められた。ヘッドライトはシャープな目つきだ。

いすゞD-マックス・マッドマスターV-クロス(英国仕様)
いすゞD-マックス・マッドマスターV-クロス(英国仕様)

吸気シュノーケルなしでも、エンジンは最大800mmの水深に対応。アンダーボディは強化され、四輪駆動システムもアップデートされている。ボディが路面へ接する角度は、アプローチ・アングルが31度で、ディパーチャー・アングルは24度と、ライバルに並ぶ。

キャビンは強みの1つ。工事用ヘルメットを被ったままでも平気なほど、車内にはゆとりがある。シートとステアリングコラムの調整域は広く、快適な運転姿勢を取れる。

ダッシュボードなどは、軍手でも操作できるよう配慮され、いかにも堅牢。表面は、汚れても簡単に拭き取れる。小物入れやカップホルダーなども充実している。

インフォテインメント・システムは、旧世代感がある。直感的なデザインではなく、操作しやすいとはいいにくい。アップル・カープレイとアンドロイド・オートには対応するけれど。

エアコンの操作パネルには、実際に押せるハードボタンが残され、扱いやすい。クーラーが強力なのもうれしい。四輪駆動やロッキングデフ、ローレンジの切り替えも、腕を伸ばさずに可能だ。

記事に関わった人々

  • 執筆

    ジョナサン・ブライス

    Jonathan Bryce

    英国編集部。英グラスゴー大学を卒業後、モータージャーナリストを志しロンドンに移住。2022年からAUTOCARでニュース記事を担当する傍ら、SEO対策やSNSなど幅広い経験を積んでいる。
  • 翻訳

    中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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