2024年版 タフでおしゃれな現代ピックアップトラック 10選 快適性も高い最新モデル

公開 : 2024.04.07 18:05

広い荷台スペース、多用途性、豊富な快適装備を備えた現代のピックアップトラックから、特に注目したい10台を紹介。北米ではなく、あえて欧州市場からハイレベルなモデルを厳選した。

仕事と趣味で大活躍のピックアップトラック

荷台の広さ、多用途性、快適性、走行性能といったさまざまな観点から、筆者(英国人)が特に注目している最新ピックアップトラックを10台紹介する。

ピックアップトラックは商用車としての実用性やタフさと、乗用車のような乗りやすさ、性能を併せ持つ。農業や建設業に使う人もいれば、趣味のアウトドアや日常使いに選ぶ人もいる。

欧州で販売されるピックアップトラックから、ベスト10を選出した。
欧州で販売されるピックアップトラックから、ベスト10を選出した。

近年は、SUV並みの快適性と洗練性、デザイン、ファミリーカーとしての汎用性で、多くのユーザーを魅了している。少数ながらバッテリーEVも選べるという状況だ。

日本ではあまりメジャーな存在ではない(軽トラを除く)が、米国や新興国市場だけでなく、欧州市場でも一定のシェアを持つ。

今回はあえて、欧州で販売されているモデルからベストを厳選した。見た目やドライビング・エクスペリエンスにうるさい欧州のユーザーは、どんなピックアップを選ぶのか。

1. フォード・レンジャー

長所:幅広いエンジンラインナップ、正確で落ち着いたハンドリング、競争力のある価格設定
短所:EV版は(まだ)ない、高性能モデル「ラプター」は実用車ではない

2023年、第3世代となる新型フォード・レンジャーが欧州に導入された。レンジャーは、英国などで最も人気の高い小型トラックだ。そのため、フォードもかなり力を入れて開発している。

1. フォード・レンジャー
1. フォード・レンジャー

1990年代後半の初代レンジャーはマツダとの共同開発で誕生したが、新型は第2世代(T6)のプラットフォームを発展させたものをベースに、フォルクスワーゲンとの協業により完成した。フォルクスワーゲンからはアマロックとして販売されている。

新型レンジャーは、フォードの象徴的トラックであるF-150のデザインの影響を受けつつ、スクエアで無骨な外観になった。さらに、最新の縦型タッチスクリーンやデジタルメーターが導入され、デジタル感がアップ。インテリアのレイアウトと素材の質感も著しく向上している。

エンジンラインナップは拡大され、標準車には最高出力170psまたは205psの4気筒ディーゼル、240psのV6ターボディーゼル、そして高性能モデル「ラプター」には最高出力210psのディーゼルと292psのV6ターボガソリンが用意される。

2025年には、ガソリンベースのPHEV(プラグインハイブリッド)版が登場する予定だ。

4気筒ディーゼルエンジンは、強力なトルクだけでなく、優れた洗練性を持っている。10速AT(エントリーモデルのみ6速MT)も、動きがなめらかで快適である。

運転してみると、同クラスの乗用車と比べても妥協点がかなり少ない。リーフスプリング式リアアクスルは硬めのフィーリングで、ゴツゴツ路面や段差では多少気になるものの、それほど不快感はない。一方、ステアリングはトラックとしては異例なほど正確で、一体感があり、適切なボディコントロールとグリップを備えている。

ダブルキャブ仕様が一般的だが、シングルキャブ仕様も用意されている。ただし、シングルキャブの装備はベーシックなもので、非力なエンジンとMTしかない。

荷台はユーロパレットを積めるほど広くなり、最大積載重量は仕様によって異なるが、1035kgから1207kgまで対応する(レンジャー・ラプターは少ない)。

レンジャー・ラプターには、ダカールの砂丘を走るようなフォックス製サスペンションが装備されている。ロングトラベルのスプリングとダンパーにより、ラフな地形でもとんでもないスピードで走破することができる。さらに(お財布には優しくないが)、3.0L V6ツインターボガソリンエンジンは最高出力292psと非常にパワフルだ。

手頃な価格設定、幅広いモデルの選択肢、オンロードとオフロードでの走りの進化により、今最も注目したいピックアップトラックとなっている。

記事に関わった人々

  • 執筆

    マット・ソーンダース

    Matt Saunders

    英国編集部ロードテスト・エディター
  • 執筆

    イリヤ・バプラート

    Illya Verpraet

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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