日産自動車、三菱自動車の株式の34%を獲得し筆頭株主へ

2016.05.12

日産自動車は5月12日、三菱自動車の発行済株式の34%を取得し筆頭株主となることなど、幅広い戦略的アライアンスに関する覚書を締結したことを発表した。

また、日産と三菱自動車は、購買、プラットフォームの共用、新技術の開発分担、生産拠点の共用、成長市場を含む複数の面でも協力することに合意をした。

日産のカルロス・ゴーン社長兼CEOは、「本件は画期的な合意であり、日産と三菱自動車の双方にウィンウィンとなるものです。両社が集中的に協力し、相当規模のシナジー効果を生み出すことで、新たな自動車産業の勢力ができあがることになります。当社は、三菱自動車の筆頭株主として、同社のブランドと歴史を尊重し、大きな成長の可能性の実現をサポートしていきます。日産は課題に直面している三菱自動車を支援し、同社をアライアンス・ファミリーの新たな一員として歓迎したいと思います」とコメントを発表。

また、三菱自動車の益子修会長兼CEOは、「長年に亘り数々のパートナーシップで成果を生み出してきた日産自動車には、アライアンスのメリットを最大限に活かす豊かなノウハウがあります。今回の合意で、両社の将来の発展に求められる、長期的な価値を生み出すことができるでしょう。開発や共同購買など、リソースの共有を含む戦略的なパートナーシップの深化が、長期的な価値をもたらします」との声明を発表している。

今回のアライアンスで、日産は新規に発行される5億660万株の三菱自動車株を、一株当たり468円52銭で取得する予定。株価は、2016年4月21日から5月11日までの期間の出来高加重平均する。取引成立後、日産は三菱自動車の筆頭株主となり、三菱重工業、三菱商事、ならびに三菱東京UFJ銀行という三菱グループの持つ株式を超える比率を有数こととなる。

現在、日産は三菱自動車のデューデリジェンスを行っている最中だということ。その後、規制当局の承認作業を経て、2016年5月末を目処にアライアンスの正式契約を締結し、2016年末までに全ての手続きが完了する見込みだという。

急遽行われた共同記者会見には、日産のカルロス・ゴーン社長兼CEOと三菱自動車の益子修会長兼CEOが出席したが、この席上でゴーンCEOは、「子会社化ではなく、単に筆頭株主になるだけの話であり、三菱自動車として存続は確保される」とし、「三菱自動車の社員、関連取引企業の不安を早く解消したい」と述べた。また、三菱のディーラーが日産の看板に架け替えられることはないとした。更に、益子CEOは、「日産の三菱自動車に対する資本参加はまえまえからあった話で、将来的には何らかの形でアライアンスを組もうという話があった。今回の燃費偽装問題で、その時期が早まっただけ」と話した。

この合意を受け、三菱自動車は、日産が推薦する、同社の議決権に比例した人数の、取締役会会長を含む取締役候補を提案することとなる。

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