最近人気の「ヤングタイマー」110台がRMサザビーズ・オークションに出品。クラシックカー・イベント「テクノ・クラシカ・エッセン」の中で開催され、ほとんどが落札！

text: Kazuhide Ueno（上野和秀）

photo: RMSotheby’s Auctions／Kevin Van Campenhout、Tom Gidden、Morten Gjersoe、Dirk de Jager、Gabor Mayer、Ahmed Qadri、TimScott、PeterSinghof、Cymon Taylor、Tom Wood

ドイツを代表するクラシックカー・イベント

ドイツ最大のインドア・クラシックカー・イベントの「テクノ・クラシカ・エッセン」のオフィシャル・プログラムとしてRMサザビーズ・オークションが開かれた。この「テクノ・クラシカ・エッセン」は今年で31回目を数える歴史あるイベントで、クラシックカーなどの趣味車のオーナースクラブ、ショップなどが一堂に会するもの。エッセンのメッセ会場を舞台に、12のホール、12万㎡もの広大なスペースを使って行われ、今年は2700台を展示、19万人の来場を数えた。

幅広いマニアが来場するイベント内でのオークションだけに、RMサザビーズはいつものヴィンテージ・モデルから最新のスーパースポーツ・モデルまでを幅広く用意。最近好調なヤングタイマー・モデルを数多く持ち込んだ。今回は2日間の会期で行われ、210台が並べられ、その内の半分以上となる110台が1980〜1990年代に作られたヤングタイマーだったことからも、新たなジャンルとして確立してきたことが分かる。

またヤングタイマー・モデルの多くは300〜500万円程度で買えることから、一般レベルの愛好者の入札で盛り上がっていた。場所柄BMW、メルセデス・ベンツ、アルピナのスポーツモデルが数多く用意されていた。

最高落札額　ドイツならでは

一大イベントの会場内で開かれるオークションで、お手頃な額の車両が多かったことから落札率は84.7%と好調で、オークション後に成約した車両を引くと87.6%にも達した。2日間のオークションを終えてみれば、その結果はマニアックなイベントといえるエッセンにふさわしいものと言えた。

最高落札額を記録したのはドイツらしく1937年メルセデス・ベンツ540KカブリオレAで2億8413万円をマークしてトップに輝いた。

2番値はグループBホモロゲ・モデルの1985年ランチア・デルタS4ストラダーレが新記録となる1億3208万円で落札され、3番値はおなじみの1959年メルセデス・ベンツ300SLロードスターが1億1262万円で続いた。

注目したいのは4番手で、これまたグループBホモロゲモデルの1982年ランチア037ラリー・ストラダーレが9779万円という新記録で落札されたことだ。ここに1970年フェラーリ365GTB/4デイトナが久しぶりに高額といえる8065万円で終えている。

ここで約半数を占めたヤングタイマーのほとんどは、かつての憧れのモデルや値ごろ感からほとんどが落札された。そのいくつかをピックアップすると1990年BMW M635 CSiが658万円、人気上昇中の1991年BMW 850iは293万円、かつて日本にあった1991年ジャガーXJS V-12は132万円、玄人好みの1987年ランチア・テーマ8.32は元バロン・コレクション収蔵車だったが125万円にとどまり、ドイツで根強い人気を誇る1988年メルセデス・ベンツ560SLは439万円で落札された。

このほか2001年ローバー・ミニクーパーSは最終生産500台の内の1台で、走行350マイル（560km）と新車同様だったことから234万円まで値を上げている。もう1台のローバー・ミニクーパーSも走行850マイル（1360km）とこちらも新車同様車だったため189万円まで競り合った。

RMサザビーズ・エッセン・オークション　結果一覧

価格は落札手数を含む額。日本円への換算は、オークション開催当日の為替レートを基に計算。
NS=落札不成立。日本円価格の括弧内の金額は、主催者が発表した予想落札価格。