グッドウッド・フェスティバルでボナムス・オークションが開催。マンセルが乗ったウイリアムズFW14Bは高値で落札されたのは既報の通り。このほかの高額車は……いまひとつの結果に。

text：Kazuhide Ueno（上野和秀）

photo：Bonhams

最高値　ウイリアムズF1

古今東西の様々なクルマたちが目の前を駆け抜けるライブ感が支持されて、年を追うごとに規模を拡大して、世界一のクルマ・イベントになったのがグッドウッド・フェスティバル・オブ・スピード（以下FoSと記す）だ。近年は各メーカーの周年イベント開催の場としても親しまれている。

FoSの1プログラムとしてボナムスによるコレクターズカー・オークションが今年も会場内で開かれた。あらゆる時代のレーシング・マシンからロードーカー、発表間もない新型車が集うイベントだけに、ベテラン・ヴィンテージ期から最新モデルまでの幅広いジャンルの84台と、数多くのオートモビリアが用意された。

ここでの主役となったのはナイジェル・マンセルが駆り1992年のワールド・チャンピオンを勝ち取ったウイリアムズFW14Bルノーだ。イギリス人にとって永遠のヒーローであるマンセル車、それもレッド5のゼッケンを付けたウイリアムズは特別な存在だけに、一般来場者からも大きな注目を集めた。

FoSは多数の来場を数えるが、一般客も多いことからマニアックで高額な車両は今ひとつの結果に終わり、それはベントレーやフェラーリでも変わらなかった。価値をじっくりと吟味する流れは続いており、最終的な落札率は48.8%と低調。しかし、お値頃で価値と値段が釣り合う車両はちゃんと落札されていた。

ここでの落札額トップ5を記すと、最高値は予想通り1992年ウイリアムズFW14BルノーF1が3億6761万円で記録し、以下1962年アストン マーティンDB4シリーズIV 4.2Lヴァンテージ（6335万円）、2001年リスター・ストームGT1レーシング・プロトタイプ（6335万円）、1928年ベントレー4 1/2Lツアラー（6256万円）、1998年ジャガーXJ220（5631万円）とグッドウッドにふさわしい英国車たちが並んだ。

フェラーリの工具も出品

このほか1964年オースチン・ヒーレー 3000MkIII BJ8ワークス・ラリーカーは由緒正しいヒストリーが評価され3128万円で落札されたが、50台限定の2017年ランボルギーニ・アヴェンタドール・ミウラ・オマージュは場所がら入札が伸びず2584万円で終えてしまった。

イギリスらしく1934年MG NE マグネットは2581万円まで値を上げ、1964年ゴードン・キーブル・クーペは704万円、1956年クーパーT39ボブテールは1643万円で落札されている。2004年のトヨタTF104B F1も出品されたが、実戦機ながらエンジンレスのため939万円で終えてしまった。

またクラシック・フェラーリの車載工具やオーナーズ・マニュアルなどが数多く出品された。フェラーリ250GT車載ツールセットは290万円まで値を上げ、フェラーリ275GTB車載ツールセットは78万円、フェラーリ330GTオーナーズ・マニュアル＋パーツリスト（レザーケース付き）は54万円と、フェラーリならではの額で落札されている。

ボナムス・グッドウッド・フェスティバル・オブ・スピード・セール　結果一覧

価格は落札手数を含む額。日本円への換算は、オークション開催当日の為替レートを基に計算。
NS=落札不成立。日本円価格の括弧内の金額は、主催者が発表した予想落札価格。