専用サスを採用 フォード・フィエスタSTパフォーマンス・エディションに試乗

2019.09.14

サマリー

フォードのスモール・ホットハッチ、フィエスタSTに、サスペンション・チューニングとオレンジ色の特別ボディカラーをまとった、英国専用のパフォーマンス・エディションが台数限定で登場。価格上昇が気になるものの、クルマの良さはさらに引き立てれたようです。

もくじ

600台限定で選べる専用サスペンション
フィエスタ固有のバランスとアジリティ
最良のA・Bセグメント・ホットハッチ
フォード・フィエスタSTパフォーマンス・エディションのスペック

600台限定で選べる専用サスペンション

translation:Kenji Nakajima(中嶋健治)

フォードの素晴らしいホットハッチ、フィエスタSTに限定生産のSTパフォーマンス・エディションが登場した。パワーアップは果たしていないが、サスペンションはチューニングを受け、ボディは鮮やかなオレンジ色で塗られている。

英国専用となる限定バージョンの販売台数は600台と限られており、ベースとなったのはフィエスタST-3と呼ばれるグレード。だがパフォーマンス・パッケージ自体は、標準のフィエスタSTにも選択ができるオプションとして用意もされる。リミテッド・スリップデフを装備できることになり、このパッケージの見逃せないポイントだ。

フォード・フィエスタSTパフォーマンス・エディション
フォード・フィエスタSTパフォーマンス・エディション

限定生産となるパフォーマンス・エディションの方は、ST-3にパフォーマンス・パッケージを装備したうえに、7kgも軽量化したという、鋳造ながら圧力成形されたフローフォーミング加工の18インチ・アルミホイールを装着。オレンジ色のボディが標準設定される。加えて最も重要な変更点が、スタンダードのサスペンションにかわって、調整式のコイルオーバー・サスペンションが付いてくること。車高も下がって、フロントで10mm、リアで15mm低く構える。

一方でパワートレインには手がつけられていない。1.5Lの3気筒ガソリンターボ・エンジンは199psを発生し、6速マニュアルを介して前輪を駆動する。ATの設定はない。価格は通常のフィエスタST-3にパフォーマンス・パックが装備された価格より、さらに3120ポンド(40万円)が上乗せとなり、2万6495ポンド(344万円)となる。

フィエスタ固有のバランスとアジリティ

フォード・フィエスタは、2万2000ポンド(286万円)の素のSTであっても素晴らしいから、価格の上昇は結構大きく感じられるかもしれない。だが、新しいサスペンションはまったくの別物。フォードによれば、聞き飽きた感のあるニュルブルクリンクを舞台に開発したとのことだが、英国バーミンガムの郊外の道でも標準サスペンション以上に良好なマッチングを披露した。

フィエスタSTに不満をいうドライバーは少ないと思うが、唯一挙げるのならば、快適性が今ひとつなところだろう。しかし、パフォーマンス・エディションに採用されたサスペンションは、引き締まっていながらも、快適性も増しているのだ。

フォード・フィエスタSTパフォーマンス・エディション
フォード・フィエスタSTパフォーマンス・エディション

縮み側で12段階、伸び側で16段階に減衰力の設定が可能で、試乗車は中間あたりの設定だったそうだが、ボディコントロール性は秀抜。乗り心地は硬いものの、度が過ぎることもなく、フォードらしく非常に良くマネージメントできている。

前回フィエスタSTを試乗してからだいぶ間が空くから明言はできないが、ステアリングの質感も向上しているように感じた。レスボンスが良くなり、クイックで正確性も増している。また、LSDがロックした時の牽引力も鋭く、ステアリングにも感触が伝わってくる。初代フォーカスRSのように、ステアリングホイールを握る手を引っ張るほどではないにしろ、フロントタイヤが路面をかきむしる様子を想起させる。

試乗した日は路面がかなり濡れており、通常よりもアンダーステアやホイールスリップも多く発生していた。乾燥状態ほどにタイヤが路面をうまく掴めていなかったことで、ステアリングに伝わるものも大きかったのだろう。しかし、フィエスタが本来備えたバランスとアジリティの高さは、充分に味わえたと思う。

 
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