初代 マツダ・ロードスター 素晴らしき英国スポーツカーの継承者 後編

公開 : 2019.11.16 16:50  更新 : 2020.12.08 10:56

英国的スポーツカーを体現し、世界中を魅了してきたマツダ・ロードスター(MX-5)。2019年に誕生から30年を迎えました。長い歴史を持つきっかけとなった初代ロードスター、NA型の魅力を、2台の限定モデルとともに確認してみましょう。

もくじ

ル・マン24時間レースでの初優勝を記念
ターボを搭載したロードスター
車重増に合わせて1.8Lでパワーアップ
ロードスター随一の豊かな味わい
マツダ・ロードスターという世界の広がり
マツダ・ロードスター(MX-5)1.6(1989年〜1997年)のスペック

ル・マン24時間レースでの初優勝を記念

text:Greg Macleman(グレッグ・マクレマン)
photo:Will Williams(ウィル・ウイリアムズ)
translation:Kenji Nakajima(中嶋健治)

 
派手な緑とオレンジの2色が、白い点線で区切られたボディ。ジョニー・ハーバートなどがドライブし、1991年のル・マン24時間レースで初優勝したレースマシン、マツダ787Bを模したレナウン・カラーだ。この勝利は日本の自動車メーカー史上でも初めて。マツダが最高の方法で祝福してもおかしくない。

この特別なロードスターは、24時間レースにちなんで、1時間に1台、24台だけが制作された。派手なボディカラーに、フロントとリアのスポイラー、サイドスカートなどの専用ボディキットを装備する。リアタイヤの前にはダミーのエアスクープが空き、ボディにはジョニー・ハーバートのサインがあしらわれている。

マツダ・ロードスター(MX-5)1.6 ルマン・エディション
マツダ・ロードスター(MX-5)1.6 ルマン・エディション

インテリアは標準のロードスターと大差ない。クロス張りのシートにダッシュボード、モモ社製ステアリングなど、一緒に試乗している1.6Lのベースモデルとほぼ同じ。だが走り出してみるとボディカラーを許せる内容が与えられている。

サスペンション・スプリングは、より引き締められたトキコ社製のものに変更。アルミホイールは軽量なOZ社製5スポーク15インチに交換されている。

ロードスターのパワーアップに関して、英国マツダの選択肢は限られていた。そこでディーラーオプションのインダクションキットを1200セット以上提供していた、BBR社が選ばれた。低圧ターボが取り付けられ、ブースト圧はわずか5〜6psiながら、自然吸気ツインカムに36psを上乗せしている。

ターボを搭載したロードスター

最高出力152psと最大トルク21.2kg-mを生み出し、0-100km/h加速6.8秒を達成。標準モデルの場合は9.1秒だから、かなりの効果だといえる。最高速度は209km/hに届いた。

このエクストラ・パワーを一般道で味わってみる。ベースモデルと比較すると、スロットルレスポンスはわずかに鈍化している。1.6Lエンジンはやはり、アクセルを深く踏み込み、高回転域まで回さないと活気が得られない。

マツダ・ロードスター(MX-5)1.6 ルマン・エディション
マツダ・ロードスター(MX-5)1.6 ルマン・エディション

低圧ターボだから、期待するほどブースト圧とともに高まるパワー感はないが、3000rpmを超えると明らかにモリモリと力が湧いてくる。6500rpmへ迫るごとに、飛ぶように加速する。シフトアップでアクセルを戻すと、ウェイストゲートが開きブローオフのホイッスルが響く。いかにもターボ車だ。

このル・マン・エディションのナンバーは24台中の22番で、走行距離は信じがたい2250km。シャシーは標準の1.6Lモデルよりシャープだった。スプリングだけでなく、サスペンション自体にも手が加えられているのではないかと思う。

コーナリングはタイトで、ロードホールディング性も向上しているから、コーナリングも速い。反面、ソフトで懐の深い標準モデルより限界領域での安定性は高くないようだ。しっかりした操作が求められる。工場出荷の状態に近いおかげで、走り込んだクルマよりシフトフィールのしっかり感がなかった。

パッケージングは魅力的だが、0-100km/h加速を数秒縮めるために中回転域でのイキイキとしたフィーリングは少し犠牲になっている。ボディカラーも好みは分かれるだろう。

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