モデルチェンジ ルノー・キャプチャー130 TCeに試乗 欧州での人気持続を狙う

公開 : 2019.11.18 09:50

上質な乗り心地でコーナリングも悪くない

130TCeと155でオプションで追加できる機能は、高速道路と渋滞時での自律運転支援。前方に先行車両がいる条件で、自車速度を調整しながら走行し、交通渋滞時では停止や発進まで行ってくれる。

360度カメラ映像による駐車アシストもオプションで選択が可能。アップル・カープレイとアンドロイド・オートには標準対応という点も魅力といえる。

ルノー・キャプチャー130 TCeアイコニック
ルノー・キャプチャー130 TCeアイコニック

運転してみると、より民主化されたという感想を持った。キャプチャーを発進させた瞬間からボディ剛性の高さを感じ、防音性や衝撃の吸収性も向上していることがわかる。静かで間違いなく上質な仕上りだと感じるだろう。

縦長のタッチモニターが鎮座する車内は現代的でもある。位置も見やすい上に使いやすい点も魅力となる。シフトノブの位置も操作しやすく好印象。

多くのBセグメントのSUVと同様に、積極的に運転を楽しみたいというドライバーが、多くの喜びを得るクルマではない。だがステアリングの重さは合理的に設定され、ボディロールは小さく、コーナリングは悪くない。鋭い入力や継ぎ目からの衝撃吸収性も良好で、ボディロールを抑制させた代償も少ない

試乗中かなり強い入力がある場面では、対応しきれない場面はあったが、試乗車が履いていたのは18インチホイール。100TCeなら17インチホイールとなり、より柔軟性は上がるはずだ。

130TCeが搭載する129psエンジンは、活発に走るものの速いと呼べるほどではない。100TCeの100psでは、大人4名が乗車した場合、少々力まなければならないだろう。

人気の高さも納得。PHEVを待つのもアリ

車内幅は広くなり、ほどほどに高い着座位置と快適なフロントシートのおかげで、先代から長距離移動はより安楽になった。ロードノイズも小さく、エンジンもスムーズに静かに回る。2速で高回転域まで引っ張っても、それほど騒がしくは感じられなかった。

リアシートは広々しており、分割して前後にスライドできる。荷室空間もクラス最大の容量を確保。SUVとしてだけでなく、実用的なファミリーワゴンとしても充分に活躍できる実力がある。2トーンのボディなど、カラフルな色使いもフランス的で良い。

ルノー・キャプチャー130 TCeアイコニック
ルノー・キャプチャー130 TCeアイコニック

運転が楽しいと呼べる部類のクルマではないことは確かだ。だが、クラストップの操縦性と上質で個性的なインテリアを持つフォルクスワーゲンTクロスと並べても、ルノー・キャプチャーは引けを取らない洗練された内容を持っている。

アダプティブ・クルーズコントロールやレーンキープアシストなど、このクラスでは高機能な運転支援システムも、強い訴求力を持っている。日常的に混雑している道路環境において、有用な機能となるはず。

これまでの人気の高さを考えれば、デザインの流れを汲みつつ新鮮さを強めた新しいキャプチャーは、有力候補に選ばれてしかるべき。もう少し待てば、プラグイン・ハイブリッドも登場するから、そちらを待つという手もある。

ルノー・キャプチャー130 TCeアイコニックのスペック

価格:2万295ポンド(284万円)
全長:4227mm
全幅:1797mm
全高:1566mm
最高速度:194km/h
0-100km/h加速:10.6秒
燃費:15.6km/L
CO2排出量:127g/km
乾燥重量:1234kg
パワートレイン:直列4気筒ターボチャージャー
使用燃料:ガソリン
最高出力:129ps/5000rpm
最大トルク:24.4kg-m/
ギアボックス:6速マニュアル

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