欧州で一番売れているクルマ 6月販売台数トップ10 約30年ぶり最低値

公開 : 2022.08.03 06:05

欧州27市場における6月の新車販売台数は、約30年ぶりに最低を記録しました。厳しい状況の中、健闘を続けた上位10車種を紹介します。

2022年6月に欧州で最も売れた車種

欧州における6月の自動車販売は、前年同月比17%減となり、単月としては約30年ぶりに最低を記録した。特に、EV(電気自動車)やハイブリッド車の落ち込みが激しい。

調査会社ジャトー・ダイナミクスによると、欧州27市場の新車登録台数は合計105万4807台となり、2021年6月の126万8508台から減少したという。市場アナリストは、1993年以来、6月としては最低の結果であるとコメント。

半導体部品の供給不足と不安定な情勢下で、電動化モデルの生産の落ち込みが顕著になっている。
半導体部品の供給不足と不安定な情勢下で、電動化モデルの生産の落ち込みが顕著になっている。

これまでのところ、今年の新車登録台数は553万7670台で、前年同期比14%減となっている。

これまで、世界的に続く半導体不足とロシアのウクライナ侵攻が販売落ち込みの原因として挙げられてきた。EVの生産は、前月まで有望な成長を維持していたものの、再び供給不足の影響を受けている。

ジャトー・ダイナミクスのグローバルアナリストであるフェリペ・ムノス氏は、「事業環境はますます厳しくなっており、心配なことに、以前は業界全体に存在していたわずかな安全地帯も、今では衰退の兆しを見せ始めています」と述べた。

EVとPHEV(プラグインハイブリッド車)は、大きな打撃を受けた。両カテゴリーの6月の登録台数は約21万5000台で、前年同月比8%減。ジェイトーは、6月は電動化モデルにとって、パンデミックで最も深刻な影響を受けた2020年4月以降で最大の落ち込みを見せていると述べた。

EVの登録台数は引き続きPHEVを上回っており、21万5000台のうち63%のシェアを占めている。テスラフォルクスワーゲンなど一部の自動車メーカーは、中国での供給問題やパンデミック関連の封鎖により、生産制限を余儀なくされている。

電動化モデルの市場シェア増加率が最も高かったのはジープで、前年同月のシェア30%から47%に上昇した。ジャガーレクサス三菱シトロエンがその後に続いている。

一方、プジョーの小型車「208」は、3か月連続で欧州のベストセラーとなった。前年比38%増と健闘し、欧州全体で2万4488台が販売された。

以下、ダチア・サンデロ(2万4229台)、オペルヴォグゾールコルサ(1万9679台)、フィアット500(1万9500台)、ダチア・ダスター(1万9039台)がトップ5を占めた。

2022年6月の欧州ベストセラー上位10車種は以下の通り。

1. プジョー208 2万4488台 前年同月比38%増

プジョー208は6月、2万4488台を販売し、首位を維持した。プジョーの新しいデザイン路線に合わせて大幅に改良されたことが、その人気に拍車をかけていることは間違いない。ガソリン、ディーゼル、EVの各種パワートレインを揃え、多用途性と手頃な価格も魅力的だ。

プジョー208
プジョー208

記事に関わった人々

  • 執筆

    AUTOCAR UK

    Autocar UK

    世界最古の自動車雑誌「Autocar」(1895年創刊)の英国版。
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    平成4年生まれ。テレビゲームで自動車の運転を覚えた名古屋人。ひょんなことから脱サラし、自動車メディアで翻訳記事を書くことに。無鉄砲にも令和5年から【自動車ライター】を名乗る。「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。イチゴとトマトとイクラが大好物。

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