【最強4WDホットハッチは】BMW M135i vs ミニ・クーパー・クラブマンJCW vs メルセデスAMG A35 後編

公開 : 2019.12.08 10:50  更新 : 2019.12.08 13:22

FFへと駆動方式を変えて登場したBMW 1シリーズのホットモデル、M135iを同門のミニ・クーパー・クラブマンJCWとメルセデスAMG A35との比較試乗に連れ出しました。その結果はリア駆動を捨て去ったことに寂しさを感じるひとびとを勇気づけるものとなったようです。

アダプティブダンパーの恩恵

以前もこのマイルドなホットハッチとでも呼ぶべきAクラスのスタンダードなAMGサスペンション仕様をテストしているが、そのときも英国の路上や日常的なタウンスピードでその実力を発揮させるには、あまりにもハードなセッティングだと評価している。

今回はオプションのアダプティブダンパー仕様を選択しているが、ホイールはAMGスタイルパッケージに含まれる19インチのままだった。

メルセデスのアダプティブダンパーは乗り心地の改善に役立っている。
メルセデスのアダプティブダンパーは乗り心地の改善に役立っている。

その結果、決して完ぺきとは言えない路面コンディションであっても、滑らかな衝撃吸収性能を発揮し、前回テストしたときよりもはるかに優れたパフォーマンスを見せてはくれたが、細かな路面の乱れや鋭い路面不整に対しては、A35は多くが望むような乗り心地とはかけ離れた落ち着きのなさを時に露呈することとなった。

スタンダードなパッシブダンパー仕様のミニの方がある意味さらに路面の影響を強く受けていた。硬くストロークの短いサスペンションは全般的にしなやかさに欠け、決して不快というわけではないが、大きな路面不整に出会うと落ち着きのなさは明らかだった。

だが、クラブマンはその重心の低さを活かすことで、M135iとA35を上回る性格でシャープなハンドリングを実現しており、タイトコーナーや高速コーナーで見事なパフォーマンスを発揮している。

まさに期待通りと思うだろうが、より小型のホットハッチたちの戦いにおいては、現在のハイパフォーマンスなミニたちはしばしば失敗を犯しているのだ(ミニ・クーパーSとフィエスタSTの比較がその好例だ)。

もっとも純粋なドライビングの楽しみ

それでも、このクラブマンJCWは同じようなサイズの平均的なホットハッチよりも鋭く、よりドライバーとの繋がりを感じさせるパフォーマンスを備えており、その難解なボディスタイルの中に多くのドライバーアピールを詰め込んでいる。

コーナーではライバルたちよりもフラットな姿勢を保ったまま高いグリップを見せ、そのステアリングは確かにBMWよりもコミュニケーション能力には欠けるが、圧倒的なコーナリングバランスやステアリングによる高い修正能力とともに、より正確で安定した高いトラクション性能を感じさせてくれる。

機敏なハンドリングを持つクラブマンJCWはタイトコーナーも苦にしない。
機敏なハンドリングを持つクラブマンJCWはタイトコーナーも苦にしない。

その結果、今回の3台のなかではもっとも純粋なドライビングを楽しむことを可能にしており、シンプルでもっとも楽しい伝統的なホットハッチだと言える。

オプションのアダプティブサスペンションであれば、ミニにも十分納得できるだけの落ち着きがもたらされるはずであり、やや時代遅れとも言えるインフォテインメントや、やり過ぎのインテリアも例えミニのファンでなくとも許容できるだろう。

だが、こうした点は今回のテストには関係がないのであり、単なる仮定にしか過ぎないが、アダプティブダンパーさえあれば、ミニが圧倒的な大差で勝利したのではないかと考えている。

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