ミニ新型エースマン 全長4.0m、全幅1.7mのEV専用クロスオーバー 4月発表

公開 : 2024.02.01 06:25

・ミニは新型の電動クロスオーバー「エースマン」を4月に発表予定。
・クラブマンの間接的後継となるEV専用車。生産地は中国と英国。
・5人乗り、5ドアで使い勝手重視。「ミニらしさ」を次代へ受け継ぐ。

クラブマンの間接的後継EV

BMW傘下のミニは、新型EVのエースマン(Aceman)を4月24日に正式発表する。ブランド初のEV専用車として、今年後半に発売される予定だ。

新たなプロトタイプ画像とともに、仕様の一部も明らかにされている。ボディサイズは全長4075mm、全幅1754mm、全高1495mmで、2022年公開のコンセプトモデルよりもやや小さくなった。

ミニ・エースマンのプロトタイプ
ミニ・エースマンのプロトタイプ    ミニ

主力のクーパーとSUVのカントリーマン(日本名:クロスオーバーに相当)の中間に位置する5ドア・クロスオーバーであり、現行車ではクラブマンに近い立ち位置となる。

最高出力183psまたは218psの電気モーターをフロントに搭載し、前輪を駆動する。同じモーターを使用するクーパーは、0-100km/h加速7.3~6.7秒(仕様により異なる)とされており、エースマンもほぼ同様のタイムを達成できるだろう。

バッテリーは40kWhと54kWhの2つの容量が用意される。クーパーの場合、WLTPサイクルでの航続距離はそれぞれ305kmと400kmである。

充電速度は最大95kW。ライバルのジープアベンジャーの100kWにほぼ匹敵するが、ルノーメガーヌ(130kW)やボルボEX30(134kW以上)には及ばない。

高性能のJCWも追加予定

また、高性能モデルとしてJCW(ジョン・クーパー・ワークス)も導入予定だ。ミニの製品ライン責任者であるステファン・フロエック氏は最近の取材で、EV版のJCWについて次のように説明した。

「前輪駆動車で最も重要なのは、バッテリーを下に積むことによる低重心で、大きなメリットがあります」

ミニ・エースマンのプロトタイプ
ミニ・エースマンのプロトタイプ    ミニ

「フロントとリアの重量バランスもいい。低重心と50:50の前後重量バランスという遺伝子は、ドライビング・ダイナミクスにとって好都合です」

「その一方で、重量は少し重くなっています。ドライビング・ダイナミクスを確保する上ではタイヤが問題にとなるため、直径の大きなタイヤを装着する予定です」

「あとはエンジン車と同様、ゴーカート・フィーリングを開発するだけです。そこはスペースとジオメトリーの問題ですね」

クーパーとカントリーマンでは内燃エンジン車も設定されるが、エースマンはEVのみ販売される。

「ミニらしさ」を受け継ぐ1台

プロトタイプを見る限り、2022年のコンセプトモデルのスタイルをそのまま踏襲しており、フロントには鋭角のデイタイム・ランニング・ライト、テールライトにはユニオンジャック柄が採用されている。

エースマンは5人乗りで、より実用性に重点を置いている。例えば、フロントシート間の開口部はクーパーよりも広く、小さなバッグなどを収納できるようになっている。

ミニ・エースマンのプロトタイプ
ミニ・エースマンのプロトタイプ    ミニ

ダッシュボードには「市販車初」とされる円形OLEDタッチスクリーンが備わり、ほとんどの機能にアクセスできる。その下にはミニのトレードマークであるトグルスイッチが残り、ステアリングホイールにもメディア、ドライブモード、クルーズコントロール操作用のボタンが配置されている。

ミニは、クロームとレザー素材の使用を段階的に廃止する計画で、エースマンのダッシュボードにはニット生地が採用される。

エースマンの納車は年内に開始予定で、生産は当初、中国工場で行われる。2026年からは、欧州向け生産は英国のオックスフォード工場に移される予定である。

ミニのブランドCEOであるステファニー・ヴルスト氏は、次のように述べている。

「ミニは英国で生まれ、長い間親しまれてきました。わたし達は今でもオックスフォードをブランドの中心地と呼んでおり、これからも大切にしていきたいと思っています」

「ミニには非常に強い伝統があり、それが今、近代化され、未来を与えられました。その側面を感じていただけることを願っています」

エースマンについては、「このクルマには大きな可能性があると思います。最もホットな『新しさ』を持つクルマです」とした。

記事に関わった人々

  • 執筆

    チャーリー・マーティン

    Charlie Martin

    英国編集部ビジネス担当記者。英ウィンチェスター大学で歴史を学び、20世紀の欧州におけるモビリティを専門に研究していた。2022年にAUTOCARに参加。
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    平成4年生まれ。テレビゲームで自動車の運転を覚えた名古屋人。ひょんなことから脱サラし、自動車メディアで翻訳記事を書くことに。無鉄砲にも令和5年から【自動車ライター】を名乗る。「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。イチゴとトマトとイクラが大好物。

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