【VW一番人気SUVにPHEV登場】フォルクスワーゲン・ティグアン eハイブリッドへ試乗

公開 : 2020.10.24 10:20  更新 : 2021.07.27 14:51

VW製SUVでベストセラーのティグアンに、13kWhのバッテリーを搭載したプラグイン・ハイブリッド版が登場。1.4Lガソリン・ターボに電気モーターを組み合わせ、245psを実現しています。英国編集部が評価しました。

13kWhのバッテリーに245psのシステム最高出力

text:Simon Davis(サイモン・デイビス)
translation:Kenji Nakajima(中嶋健治)

 
先日ご紹介した320psのティグアンRも重要なモデルだが、このeハイブリッドの方が、位置付け的にはさらに重要だろう。フォルクスワーゲン製SUVとして、ティグアンは最も多くの台数を販売しているからだ。

13kWhのバッテリーを搭載したプラグイン・ハイブリッド(PHEV)だから、走行時のCO2の排出量は少なくて済む。英国では税制面で有利だし、通常のガソリンモデルと比べてランニングコストを抑えることもできる。

フォルクスワーゲン・ティグアン eハイブリッド(欧州仕様)
フォルクスワーゲン・ティグアン eハイブリッド(欧州仕様)

eハイブリッドに搭載されるハイブリッド・パワートレインは、同じフォルクスワーゲンのパサートGTEなどと同じもの。1.4L直列4気筒ガソリン・ターボエンジンと電気モーター、6速デュアルクラッチATが組み合わされている。

システム総合での最高出力は245ps、最大トルクは40.7kg-mを発生。前輪駆動となる。

PHEVだから、eモードを選択すれば、電気の力だけでの走行も可能。バッテリーが充電されていれば、最大で49kmの距離を電気モーターが賄ってくれる。

バッテリーは、3.5kWのウォールボックスと呼ばれる家庭用充電器に対応。最短3時間半で満充電になる。

ハイブリッド化のメリットは素晴らしいが、いくつかの制限もある。駆動用バッテリーは比較的大きく、ガソリンタンクは荷室の床下へと移動。その結果、PHEV版ではないティグアンと比較して139Lの荷室容量が削られ、476Lになっている。

滑らかで感心するほどたくましい動的性能

大きなバッテリーは、135kgの車重増も生んでいる。それでも、乗り味は素晴らしく文化的。

発進は電気モーターの力任せでも、不足ない勢いで速度を高めていく。低速域でのアクセル操作に対する反応も鋭い。速度の上昇とともに、甲高い唸り音が聞こえてくる。高回転域の水平対向ユニットのようというのは、褒め過ぎかもしれないが。

フォルクスワーゲン・ティグアン eハイブリッド(欧州仕様)
フォルクスワーゲン・ティグアン eハイブリッド(欧州仕様)

市街地を抜け速度域が上がり、アクセルペダルを深く踏み込むと、ガソリンエンジンに火がつく。電気モーターだけでの走行からの切り替わりも、極めてシームレス。

1.4Lエンジンは上質で、意図的にレブリミット付近まで回さない限り、パワー感に不足もない。一方でGTEモードを選択し、アクセルペダルをベタ踏みすると、気になる点がいくつか見えてくる。

1つ目は、鋭い加速時には後ろへ荷重移動するため、ステアリングホイールの操舵感が軽くなるということ。もともと重い設定ではないだけに、余計に感取できてしまう。

2つ目は、全力での加速時に、クルマが右へわずかに流れるような傾向があること。ただし、強く不満を感じるほどではない。

全体的なティグアン eハイブリッドの走りはまとまりが良い。動的性能も、感心するほどにたくましい。追い越し加速などでのダッシュに、不満を感じることはないはずだ。

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