オススメできない理由がない! 新型フォルクスワーゲン・ティグアンへ試乗 アウディに見劣りしない車内

公開 : 2024.05.04 19:05

3代目へ一新したVWティグアン アウディQ3に見劣りしない車内 ディーゼルに代わる有能なプラグインHV 洗練性と敏捷性を大幅に高めたシャシー 英国編集部が評価

大幅なイメチェンが目指された3代目

フォルクスワーゲンティグアンは、なんと16年間で750万台も売れた。そこで今回のモデルチェンジでは、大幅なイメチェンが目指されたようだ。2代目以上にインテリアは上質さが追求され、プレミアム・ブランドの水準へ迫っている。

お手頃な日産キャシュカイ(旧デュアリス)から、お高めのアウディQ3、北欧のボルボXC40まで、このクラスには迷うほどの選択肢がある。果たして、その中で際立つ強みを獲得しているのか、ツギハギだらけの英国の一般道で確かめてみよう。

フォルクスワーゲン・ティグアン(3代目/英国仕様)
フォルクスワーゲン・ティグアン(3代目/英国仕様)

「壊れていない部分は直さない」という哲学がフォルクスワーゲンには存在するようだが、新型ティグアンの見た目は間違いなく新鮮。パワートレインのラインナップは見慣れたものでも、同社のトゥアレグをひと回り小さくしたような雰囲気が漂う。

フロントノーズは、最新のIQ LEDヘッドライトを獲得。オプションだが、水平に伸びるデイライトで左右が結ばれ、モダンな顔つきになった。ホイールやボディカラーの選択肢も幅広い。

英国で提供されるトリムグレードは5種類。ベースの他に、ライフ、マッチ、エレガンス、Rラインから選べる。

完全に新しくなったインテリアの注目ポイントは、やはり大きなタッチモニター。通常は12.9インチだが、上級グレードでは15.0インチへサイズアップする。僅かに前方視界へかかってしまうほどの大画面だ。

アウディQ3と比べても見劣りしない車内

インフォテインメント・システムのグラフィックは、このクラスでは最も高精細な部類に入り、反応は正確。メニュー構造も覚えやすいだろう。ただし、表示されるアイコンは小さめで、走行時は触れにくい。

エアコンの操作パネルがモニター下部へ常設され、扱いやすくなったのも美点。送風温度を調整するスライダーにはイルミネーションが追加され、夜間でも迷わなくなった。

フォルクスワーゲン・ティグアン(3代目/英国仕様)
フォルクスワーゲン・ティグアン(3代目/英国仕様)

そして何より、ステアリングホイールのスポークへ、実際に押せるハードボタンが帰ってきたのが喜ばしい。従来のタッチセンサーは、ヤキモキするほど反応が鈍かった。

センターコンソールには、小さなモニターが仕込まれたロータリー・コントローラーもある。ドライブモードやラジオの音量、間接照明の色などを、手元で簡単に選べる。

インテリアの質感は、先述の通り大幅に上昇。ファブリックは明らかに上質で、手に触れる部分のプラスティック製トリムはソフト加工されている。ソリッド感が足りない部分も多少残るが、アウディQ3と比べても見劣りしないかも。

車内空間は、縦方向に10mm拡大。荷室容量は33L増えた。

2024年として触れておきたい新機能が、チャットGPTに対応した音声操作システム。アイフォンのシリのように、質問すると人工知能がビッグデータを利用し答えてくれる。

フォルクスワーゲンの技術者は、チョコレートケーキの作り方を聞いてみて欲しい、と勧めてきた。確かに、素晴らしい回答が返ってきた。運転中はメモできないとしても。

記事に関わった人々

  • 執筆

    マレー・スカリオン

    Murray Scullion

    役職:デジタル編集者
    10年以上ジャーナリストとして活動し、雑誌、新聞、ウェブサイトに寄稿してきた。現在はオンライン版AUTOCARの編集者を務めている。オースチンやフェラーリなど、1万円から1億円まで多数のクルマをレビューしてきた。F1のスター選手へのインタビュー経験もある。これまで運転した中で最高のクルマは、学生時代に買った初代マツダMX-5(ロードスター)。巨大なジャガーXJ220も大好き。
  • 執筆

    フェリックス・ペイジ

    Felix Page

    役職:副編集長
    AUTOCARの若手の副編集長で、大学卒業後、2018年にAUTOCARの一員となる。ウェブサイトの見出し作成や自動車メーカー経営陣へのインタビュー、新型車の試乗などと同様に、印刷所への入稿に頭を悩ませている。これまで運転した中で最高のクルマは、良心的な価格設定のダチア・ジョガー。ただ、今後の人生で1台しか乗れないとしたら、BMW M3ツーリングを選ぶ。
  • 執筆

    ジョナサン・ブライス

    Jonathan Bryce

    役職:ソーシャルメディア・エグゼクティブ
    AUTOCARのSNS担当として、X、YouTubeショート、インスタグラムなどの運営を任されている。以前は新聞紙や雑誌に寄稿し、クルマへの熱い思いを書き綴っていた。現在も新車レビューの執筆を行っている。得意分野はEVや中古車のほか、『E』で始まるBMWなど。これまで運転した中で最高のクルマは、フォルクスワーゲンUp! GTI。 『鼻ぺちゃ』で間抜けなクルマだったが、家族の愛犬もそうだった。愛さずにはいられないだろう。
  • 翻訳

    中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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