【ポルシェ・タイカンとの違い】アウディRS eトロン GT プロトタイプへ試乗 最大655ps

公開 : 2020.11.17 10:20

RSのエンブレムを付け、655psのデュアルモーターを備える高性能版eトロン GT。ポルシェ・タイカンとは異なる性格付けが目指されていますが、コンポーネントはほぼ共有しています。英国編集部が、試作車に試乗しました。

もくじ

タイカンと共有する主要コンポーネント
日常的な乗りやすさを意識したeトロン GT
フラットに旋回し、シリアスに速い
多様性を不安にさせるタイカンとの類似性
アウディRS eトロン GT プロトタイプのスペック

タイカンと共有する主要コンポーネント

text:Simon Davis(サイモン・デイビス)
translation:Kenji Nakajima(中嶋健治)

 
アウディRS eトロン GTは、高性能EVの将来像を指し示す。同時に純EV全体へ及ぶ、興味深い疑問も想起させるものだった。

アウディ・スポーツ初となる純EV、RS eトロン GTは、構成するコンポーネントをポルシェ・タイカンと共有する。もはや周知の事実といっていい。

アウディRS eトロン GT プロトタイプ
アウディRS eトロン GT プロトタイプ

2基の電気モーターに3チャンバーのエアサスペンション、電圧800Vのバッテリーと搭載レイアウト、そして基本骨格となるJ1プラットフォームまで、タイカンと同じ。むしろこの構成は、RS eトロン GTの訴求力を増してもいる。一歩先に、タイカンが登場したという事実のおかげで。

タイカンのアウディ版、ともいえる。ブランドの違いはどの程度の意味を持つのか、という疑問へつながる。ひいては、将来の電気自動車はブランドでどの程度異なるのか、という不安にもつながる。まあ、答えは簡単ではないとは思うが。

内燃エンジンの高性能モデルは、長年の開発を経て多様な進化を遂げてきた。シリンダーの本数からエンジンの搭載位置、吸気方式といったエンジンの構成だけではない。トランスミッションや乗り心地、ハンドリング、サウンド、応答性など。

これらすべてが融合し、クルマ独自の個性を生み出す役割を果たしている。見た目だけではない。

純EVの場合、特に高性能版では、今のところ一様性が強い状態にある。バッテリーはフロア下、前後タイヤの間に搭載され、低重心化と前後重量バランスの点で有利に働く。多くが前後に1基つづ電気モーターを搭載する、四輪駆動だ。

日常的な乗りやすさを意識したeトロン GT

電気モーターの特性として、アクセルを踏んだ途端に強力なトルクが立ち上がる。レスポンスに優れ、異次元といえる猛烈な加速を披露する。宇宙空間をワープするように。

ポルシェ・タイカンだけでなく、アウディRS eトロン GTもその特徴は変わらない。実質容量で83.7kWhのバッテリーは、前後タイヤ間のフロア下。前後にAC永久磁石同期モーターを積んでいる。

アウディRS eトロン GT プロトタイプ
アウディRS eトロン GT プロトタイプ

アウディRS eトロン GTが得る総合最大出力は598psで、最大トルクは84.4kg-mにもなる。ローンチコントロールを用いると、短時間だけ655psに高めることもできる。

この数字は、ミドルスペックのタイカン・ターボの680psには及ばない。それでも、過去最強のアウディRSにするには充分な数字。0-100km/hは、3.1秒になるという。

では、アウディとポルシェは、どのくらい違うのだろう。技術開発を取りまとめる、デニス・シュミッツに話を聞いた。

「高性能なだけでなく、日常的な乗りやすさを意識しています。eトロン GTが、グランツーリスモと名乗る理由です。一方でRSという2文字は、スーパー・スポーティという意味を持ちます。しかし、本当の使いやすさも備えるものです」

「4ドアボディで、長距離を一気に移動したり、家族と一緒の自動車旅行も可能です。とても快適な設定から、極めてスポーティな設定まで、切り替えることができるのです」。とシュミッツが説明する。

その話を聞いて、数時間RS eトロン GTを運転して感じた扱いやすさが、理解できた。まだカモフラージュが取れない、プロトタイプではあったが。