「GRヤリス」の3気筒ターボを合体! レクサスLBX モリゾーRR 304馬力の試作車へ試乗

公開 : 2024.07.22 19:05  更新 : 2024.07.25 11:51

GRヤリスのパワートレインをドッキングしたレクサスLBX登場 0-100km/h加速は5.2秒 8速ATの他、6速MTも選択できる 高級感や快適性と、適度な興奮をバランス良く 英編集部が試作車へ試乗

LBXにGRヤリスのパワートレインをドッキング

「RR」の2文字を見ると、ロールス・ロイスランドローバーレンジローバーを思い浮かべるかもしれない。あるいは、リアエンジン・リアドライブか。しかし、今回はルーキー・レーシングの頭文字だ。

レクサスは、LBXの高性能モデルとして「モリゾーRR」を追加すると発表した。トヨタ車に対するGRと、同じ位置づけと考えていいだろう。今回は、そのプロトタイプへ試乗させていただいた。

レクサスLBX モリゾーRR(プロトタイプ)
レクサスLBX モリゾーRR(プロトタイプ)

ちなみにモリゾーとは、トヨタ会長の豊田章男氏が、レーシングドライバーを務める時に用いるニックネーム。ルーキー・レーシングとは、ツーリングカー選手権などへ参戦している、トヨタとレクサスのレーシングチーム名だ。

LBXはトヨタ・ヤリスクロスのレクサス版といえるが、上級クロスオーバーとして完成度が高い。それをベースに、ハイブリッド・パワートレインを降ろし、GRヤリスの1.6L 3気筒ターボエンジンと四輪駆動システムを搭載したのが、このモリゾーRRとなる。

ボディは、通常のLBXより全幅が15mmワイドで、全高は10mmロー。ホイールアーチのトリムは、グレーではなくボディと同色に塗装される。

アルミホイールは19インチの鍛造品。コンチネンタル・スポーツコンタクト7という、ハイグリップなタイヤが組まれる。リア側へ回ると、太いマフラーカッターが2本。RRブランドのキーカラー、イエローに塗装されたブレーキキャリパーも組めるそうだ。

0-100km/h加速は5.2秒 6速MTも選択できる

筆者が試乗したのは、日本仕様。GE16E-GTS型と呼ばれる3気筒ユニットは、304psを発揮する。欧州仕様は未定とのことだが、仮に用意されるなら、排気ガスへ合わせて僅かにパワーダウンされるだろう。GRヤリスも、同等の処理を受けている。

車重は1440kgと軽く、0-100km/h加速は5.2秒。英国にはフォード・プーマ STパワーシフトという高性能なコンパクト・クロスオーバーがあるが、こちらは7.4秒だから、遥かに速い。他方、フォルクスワーゲンTロック Rは4.8秒で、僅かに届かない。

レクサスLBX モリゾーRR(プロトタイプ)
レクサスLBX モリゾーRR(プロトタイプ)

LBX モリゾーRRで喜ばしいのが、6速MTを選択できること。8速ATも設定されるが、ショートストロークなシフトレバーと、踏み応えのあるクラッチペダルで、遥かに運転体験は濃密。シフトダウン時に回転数を合わせてくれる、レブマッチ機能も備わる。

加えてMTを選ぶと、従来的なハンドブレーキレバーも与えられる。ラリードライバーさながらに、ダートコースでテールスライドを誘うことも難しくないだろう。

とはいえ、普段使いのことも考えて、8速ATの方が人気は高いと予想される。ノーマル・モード時は、燃費優先でスルスルとシフトアップしていく。リラックスした気持ちで、お買い物や通勤にも問題なく使えるはず。

記事に関わった人々

  • 執筆

    AUTOCAR UK

    Autocar UK

    世界最古の自動車雑誌「Autocar」(1895年創刊)の英国版。
  • 翻訳

    中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

関連テーマ

おすすめ記事