ターボ・テクニクス・フォード・フィエスタ ST S285へ試乗 懐かしのドッカンターボ

公開 : 2022.01.24 08:25

英国代表のホットハッチ、フィエスタ STを289psまでチューニング。熱々のホットハッチを英国編集部が評価しました。

フィエスタ STのターボを増強

FFレイアウトで受け止められる最高出力が250ps程度だと考えられていたのは、それほど昔のことではない。しかし、昨年試乗したスペインのクプラ・レオン 300は300ps。素晴らしい走りに、進化のスピードを実感させられた。

日本を見れば、白眉のホンダシビック・タイプRは更に上の320psを誇る。ルノーメガーヌ R.S.やヒュンダイi30 Nも、それに迫る数字が与えられている。

ターボ・テクニクス・フォード・フィエスタ ST S285(英国仕様)
ターボ・テクニクス・フォード・フィエスタ ST S285(英国仕様)

もちろんこれらのモデルは、メーカーが充分な予算を投じて、巨大なパワーを受け止められるように開発が施されている。非力なFFモデルを大幅にパワーアップしたクルマとは、話が違う。

それでは、本来200psのフォード・フィエスタ STを300馬力近くまでチューニングしたら、どんなクルマに仕上がるのだろうか。ターボチャージャーを増強して。ターボ・テクニクス社は、そんな疑問に答えを示してくれた。

このターボ・テクニクス社は、ジェフ・カーショー氏が立ち上げた英国のチューニング・メーカー。1970年代にターボで有名なギャレット社で勤務していた彼は、サーブ99用ターボエンジンの開発に尽力。その後独立し、1981年に同社を立ち上げている。

得意とするのは、使い込んだターボのリビルトやバランシング・マシンの開発にある。それと同時に、日産フィガロからフォルクスワーゲン・ゴルフRまで、様々なモデルにターボキットを提供してきた。ゴルフRなら、550馬力以上も可能だという。

ドッカンターボ的でエキサイティング

今回ご紹介するフィエスタ ST S285には、ハイブリッド・ターボと呼ばれる技術が導入されている。といっても、駆動用のバッテリーが必要なわけではない。

標準のターボと関連機器を取り出し、シャフトとコンプレッサー・ホイール、ベアリングをアップグレード。ハウジングに手を加え、効率に振った特性からパワー優先のターボに仕立てるという内容だ。

ターボ・テクニクス・フォード・フィエスタ ST S285(英国仕様)
ターボ・テクニクス・フォード・フィエスタ ST S285(英国仕様)

同社によれば、フォード社製エンジンの内部構造は、特に手を加えることなくパワーアップを受け入れてくれるらしい。それでも、一部の部品の寿命は短くなると、カーショーは認める。

加えて、S285チューニング・キットに含まれるECUのリマッピングやインタークーラーとインダクション・システム、高効率なエグゾーストシステムなどは必須だとも話す。ターボ・チューニングの効果も得やすい。

経験豊富な技術者による仕事だけあって、チューニングに抜かりはない。標準の1.5L 3気筒ターボよりラグが大きく、実際のパワーを引き出すには2500rpmは回す必要はあるが、いわゆるドッカンターボ的でエキサイティング。サウンドも気持良い。

吹け上がりも鋭く、7000rpm目掛けたクライマックスに気持ちが満たされる。特に神経質なところはなく、低回転域でも扱いやすさは残されている。回転域の途中でパワーが落ち込む、谷間もないようだ。

記事に関わった人々

  • 執筆

    イリヤ・バプラート

    Illya Verpraet

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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