強みは豪奢なインテリア レクサスUX 300e(4) 長期テスト 途上の充電インフラ

公開 : 2022.07.17 09:45

レクサス初の純EV、UX 300e。プレミアム・ブランド初の電動モデルの実力を、数か月かけて検証します。

積算8424km 電費が4.6km/kWhへ悪化

当初、筆者がレクサスUX 300eの運転を始めた時は、メーターパネルに5.1km/kWhという電費効率が表示されていた。これはかなり優れた数字といえた。

ところが最近は、4.6km/kWhまで短くなっている。1度の充電で走れる距離が、29km近く短くなったことを意味する。高速道路を積極的に利用しているためだろうか。アクセルペダルの踏み方だろうか。

レクサスUX 300e プレミアム・プラス(英国仕様)
レクサスUX 300e プレミアム・プラス(英国仕様)

自分の運転スタイルを、少し見直した方が良いかもしれない。

積算9533km センサーとカメラで駐車しやすい

天気の良い週末に、UX 300eでグレートブリテン島の南西部、エーヴベリーまでドライブを楽しんだ。ここには、欧州最大級だという石器時代の巨石遺跡がある。そこで再確認したのが、駐車のしやすさだった。

前後にパーキングセンサーが付いていて、リアにはカメラも備わり映像を確認できる。最小回転直径は10.4mと小さく、混雑した駐車場にも問題なく停めることができた。

レクサスUX 300e プレミアム・プラス(英国仕様)
レクサスUX 300e プレミアム・プラス(英国仕様)

積算1万1038km 英国の充電インフラ事情

電気自動車用の充電ポイントを調べられるウェブサイトによれば、執筆時点で英国全土に3万290台もの充電器が設置されている。ちなみに、そのうちの約7500台は最近の1年間で増設されたものだという。

3割以上が2021年から増えたことになる。しかし、実際にちゃんと機能するものは何割あるのだろうか。まだ、英国の充電インフラは褒められる水準にはないと思う。

レクサスUX 300e プレミアム・プラス(英国仕様)
レクサスUX 300e プレミアム・プラス(英国仕様)

先日の取材時は特に、UX 300eの駆動用バッテリーを急いで充電する必要に迫られていた。写真撮影の場所から最も近いサービスエリアまでは、約19km。調べてみると、そこに急速充電器があることがわかった。

多くの人が抱く充電に対する不安

ところが実際に到着してみると、2台ある両方の充電器が機能していなかった。使えたとしても、BEV(バッテリーEV)用の区画にディーゼルエンジンのバンが停まっていたから、すぐには充電できなかったと思うけれど。

改めて検索すると、近くのガソリンスタンドにもあることが判明。そこへ向かうと今度は充電器の場所が悪く、左後ろに充電ポートが付いたUX 300eへ、チャデモ・ケーブルを接続できなかった。クルマを停める向きには関係なく。

レクサスUX 300e プレミアム・プラス(英国仕様)
レクサスUX 300e プレミアム・プラス(英国仕様)

欧州ではチャデモ規格が一般的ではなく、採用しているモデルは、現状の英国ではUX 300eと日産リーフだけ。CCS規格ほどは普及しておらず、対応する充電器を探すのが想像以上に大変だったりする。

BEVへ多くのドライバーが乗り換えていない理由の1つが、この充電器の不確実性にあるといえる。英国の自動車産業団体の調べによると、多くの人が充電に対する不安を抱いていることが明らかになっている。

だが、実際にBEVへ乗っている人へ話を聞くと、好意的な印象を持っていることが多い。どちらの気持ちも、わからなくはない。

記事に関わった人々

  • 執筆

    ジャック・ウォリック

    Jack Warrick

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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