次期フラッグシップ・クーペ ロールス・ロイス・スペクター 試作車へ試乗 BEVは副産物 後編

公開 : 2023.02.11 08:26

予想以上のコーナリング・スピード

ロールス・ロイスの技術者は、車外のノイズを打ち消す人工音を車内で響かせるシステムを開発したが、もう少しの改良が必要かもしれない。理想的な静寂を得るために。

「完全な静けさを達成できると考えています。極めて上質な。あまりにも静かすぎると、不快に感じる可能性もあります。外界との一定の繋がりを持たせるためには、イコライザーが必要です。安全上の問題にも関わります」。アヨウビが説明する。

ロールス・ロイス・スペクター・プロトタイプ
ロールス・ロイス・スペクター・プロトタイプ

加速力は、息を呑むほどではない。吐き気を誘うほどのダッシュ力を披露するBEVは、既に目新しい存在ではなくなった。ロールス・ロイスも、そこを目指してはいない。至って安楽で、必要なだけ速いが、それ以上ではない。

全長が5.5m近くあり、全幅が2mを超えるだけに、発進してしばらくは車線の中央へボディを導くことに集中力が奪われる。だが、望外に大きいとまでは感じない。実際のところ、大柄なSUVと変わらない。

ステアリングホイールへの正確な反応が、確かな助けになっている。フロントタイヤが路面から受ける入力にも左右されない。慣れてしまえば、混雑した市街地を抜けることも難しくない。

姿勢制御も素晴らしい。グリップ力は高く、後輪操舵システムが知的に機能し、コーナリング・スピードは予想以上。姿勢制御も秀逸といえ、快適でありながら操縦性も見事だと感じた。

南アフリカでのテスト走行は、暫く続くという。その結果を踏まえ、次のステージのプロトタイプへ反映される。そのスペクターでも、仕上がりは80%の段階に留まるらしい。彼らが追い求める水準は、まだ彼方にあるようだ。

ロールス・ロイス・スペクター・プロトタイプのスペック

英国価格:−
全長:5453mm
全幅:2080mm
全高:1559mm
最高速度:−
0-100km/h加速:4.5秒
航続距離:515km(予想)
電費:−
CO2排出量:−
車両重量:2975kg
パワートレイン:ツイン電気モーター
バッテリー:106kWh (予想)
急速充電能力:−
最高出力:585ps
最大トルク:91.6kg-m
ギアボックス:−

記事に関わった人々

  • 執筆

    マーク・ティショー

    Mark Tisshaw

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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