時代を超越した魅力 マツダMX-5(ロードスター/ND型) 英国版中古車ガイド 快適性も高い

公開 : 2023.03.12 08:25

英国スポーツ・マインドを現代に受け継ぐ、マツダのロードスター。英編集部が現行のND型の魅力を、中古車で振り返ります。

ドライビング体験をシンプルに追求

スポーツカーを購入するなら、深く考えすぎない方が良い。興奮を誘うドライビング体験をシンプルに追求したマツダMX-5(ロードスター)は、1989年の初代から現行の4代目まで、時代を超越した魅力に溢れている。

ボディサイズはコンパクトで、車重は軽量。フロントエンジン・リアドライブの優れたシャシーを備えている。信頼性も高い。ほかに理由はいらないだろう。

マツダMX-5(ロードスター) 30thアニバーサリー(ND型/英国仕様)
マツダMX-5(ロードスター) 30thアニバーサリー(ND型/英国仕様)

2015年に発売された現行のND型は、131psを発揮する1.5Lと、160psの2.0L、2つの自然吸気4気筒エンジンが英国仕様では選べる。131ps版でも0-100km/h加速は8.3秒と充分。2018年に184psへパワーアップした2.0L版は、6.5秒でこなす。

ただし、トリムグレードなどで若干勢いは変化する。豪華に仕立てるほど重くなり、速さにも影響が出る。MTよりATの方が同様に遅い。ちなみに日本では、ソフトトップのロードスターで2.0L版は提供されていない。

英国仕様でベースグレードとなるのが、16インチのアルミホイールにLEDヘッドライト、エアコン、ステレオを備えたSE。カップホルダーは1つだけなのでご注意を。SEナビへステップアップすると、カップホルダーが2つに増える。

さらに、デジタルラジオに対応した7.0インチのインフォテインメント・システムも装備される。グレード名の通りナビゲーションが実装され、ブルートゥースにも対応。シートヒーターにクルーズコントロールなども備わる。

またSEナビの2.0Lエンジン版では、リミテッドスリップ・デフを獲得。アルミホイールは17インチへ拡大される。

しなやかな足まわりで懐の深い操縦性

その上に位置するのがスポーツナビ。ビルシュタインのダンパーにレザーシート、オート・ライトとワイパー、ボーズのプレミアムオーディオ、リア・パーキングセンサー、車線維持支援システムなどを得る。引き締まったスポーツサスペンションも組まれる。

英国のトップグレードがGTスポーツナビ+。キーレスエントリーにバックカメラが追加される。

マツダMX-5(ロードスター) 30thアニバーサリー(ND型/英国仕様)
マツダMX-5(ロードスター) 30thアニバーサリー(ND型/英国仕様)

トリムグレードを問わず、4代目ロードスターのインテリアには高級感が漂い好印象。組み立て品質も高い。レイアウトも論理的で、運転の気を散らすことはないはず。

スポーツサスペンションを組んでも、ハードコアすぎないことも美点。驚くほど乗り心地はしなやかで、ロードスターからイメージする以上に長距離移動が快適に感じるだろう。

この足まわりの特性が、懐の深い操縦性を叶えている。グリップからスリップへ推移させるのに、免許証が危うくなるスピードまで気張る必要はない。サーキットだけでなく、カーブが続くワインディングでも思い切り楽しめる。

軽いボディに吹けの良いエンジン、好バランスのシャシーが融合し、現実的な速度域で運転を堪能することが可能。マツタが人馬一体を掲げる通り、クルマとの一体感を求めるなら、ロードスターはデフォルトの選択肢といっていい。

記事に関わった人々

  • 執筆

    オリバー・ヤング

    Oliver Young 

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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