結果的にはドライバーズカーと呼ぶにやや躊躇いがあるものの、たとえ悪路が続くようなシチュエーションでも不満なく運転できるはずだ。キャスター・アングルはドイツ車特有の直進安定性を視野に入れて調整されているということだ。

正直に感想を述べるとすれば、ステアリングの重みはマツダの他のモデルのような手応えではないのだが、クイックなステアリング・ラックのおかげで、操舵していて違和感を感じるほどではない。よって九十九折でも気持よく軌道を調整でき、シャシーの実力と相まって身のこなしにも安定感がある。

組み合わされる1.5ℓのエンジンは、決して獰猛なキャラクターではないが、低回転域からの吹け上がりは気持ちがいい。しかしながら2500rpmから4500rpmの間の英国における常用域では、ガソリン、ディーゼル問わずもう少し力があれば良いのにと思う機会がしばしばあった。

0-100km/hタイムが10.1秒も掛かってしまう点と、最大トルクに関してはもっと頑張って欲しいとも思うのだが、この一番売れるであろう90psのエンジンのマナーはディーゼルに通じるところがあり、22.9km/ℓという優れた燃費を考えれば、小型ハッチバックとしての満足度は決して低いものではない。

■「買い」か?

マツダは正式な価格をまだ教えてくれてはいないが、ちらりと聞いた印象としては、読者の方々も期待していいのではないだろうか。洗練性、楽しさ、明快さなどが上手く機能し合い、ドライブするうえで多くのドライバーが満足できるはずだ。

より正確な答えを出すには、正式発表後に英国内でじっくりと試してみる必要があるが、今回試乗した限り、市街地を主に使用するユーザーも納得させられそうだと感じた。現時点では、好印象である。

(ニック・カケット)

マツダ2

価格	NA
最高速度	180km/h
0-100km/h加速	9.4秒
燃費	22.2km/ℓ
CO2排出量	105g/km
乾燥重量	1050kg
エンジン	直列4気筒1496cc
最高出力	90ps/6000rpm
最大トルク	15.1kg-m/4000rpm
ギアボックス	5速マニュアル