ヤリスの長所も短所も「そのまま」 マツダ2 ハイブリッドへ英国試乗 2024年は5角形グリルに

公開 : 2024.03.30 19:05

トヨタとの協力関係で生まれた、マツダの欧州市場向け2 ハイブリッド 2024年仕様は5角形グリルに パワートレインや内装は基本的に同一 意外に運転は楽しい 英国編集部が評価

5角形グリルを得た2024年のヤリスの兄弟

マツダ2 ハイブリッドは、誰が見てもトヨタヤリスに瓜二つだろう。これは、トヨタとマツダとのパートナーシップで生まれた、欧州市場向けの兄弟モデル。過去には北米市場向けに、マツダ2をヤリスとして販売していたこともある。

この協力関係により、比較的小規模なメーカーのマツダは、定評ある高度なハイブリッド技術を積むモデルを、ラインナップへ加えることが可能になった。トヨタも生産数を増やせ、ボリュームメリットが生まれる。

マツダ2 ハイブリッド1.5 ホムラ(英国仕様)
マツダ2 ハイブリッド1.5 ホムラ(英国仕様)

ただし、マツダらしさが宿るとはいいにくいだろう。2024年仕様としてアップデートを受けた最新版を、詳しく見ていこう。

2 ハイブリッドの登場は2023年で、当初の見た目の違いは前後のエンブレム程度だった。しかし、欧州マツダのデザイン部門を率いるジョー・ステヌイット氏のチームによって、2024年仕様はスタイリングへ手が加えられた。

マツダと呼べる容姿を求め、フロントマスクは一新。現在の同社に共通する、5角形のフロントグリルを得ている。リアバンパーも、専用品へ交換された。「これまで、ラインナップに合致していませんでした」。とステヌイットは認めている。

現行型のヤリスはスタイリッシュ。適度な違いを与えつつ、バランスは崩れておらず、仕上がりは高く評価できる。

とはいえ、製造ラインを共有することや、衝突テストの結果を受け継ぐうえで、大きな変更は難しい。トヨタの匂いが残ることは間違いない。ヘッドライトの目つきは、マツダのそれと大きく違う。

パワートレインや内装は基本的に同一

ボディサイズも基本的に同じ。全長は3940mm、全幅は1745mm、全高は1500mmとなる。ちなみに、ハイブリッドではないオリジナルの2は、順に4080mmと、1695mm、1495mmだ。

トリムグレードは、マツダ独自。低グレードでは15インチ・ホイールが標準で、中級グレード以上には16・17インチも用意される。

マツダ2 ハイブリッド1.5 ホムラ(英国仕様)
マツダ2 ハイブリッド1.5 ホムラ(英国仕様)

パワートレインは変わらず。トヨタの1.5L 3気筒ガソリンがフロントに載る前輪駆動で、電圧178Vの駆動用バッテリーが積まれ、2基の電気モーターが発電やエンジンのアシストに用いられる。

システム総合での最高出力は115ps。ヤリスには130ps版もあるが、マツダには提供されていない。

インテリアは、エンブレムを除いてヤリスのまま。コンパクトなサイズで、広々とした空間を実現したレイアウトを受け継いでいる。エアコンには実際に押せるハードスイッチが用意され、運転姿勢は適正。視界も広い。

内装には、傷の付きやすそうなプラスティックも多く、高級感が高いわけではないものの、このクラスでは珍しいことではない。簡単に折れたり外れたりしなさそうな、耐久性の高さは感じられる。

リアシートは、流石に身長180cmの大人には少々狭い。荷室容量は286Lで、クラストップの大きさではない。

低グレードの場合、メーターはアナログ。ダッシュボード中央には、9.0インチのインフォテインメント用タッチモニターが装備される。上級グレードのホムラでは、メーターパネルも7.0インチのモニター式になる。

記事に関わった人々

  • 執筆

    ジェームス・アトウッド

    James Attwood

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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