「女王陛下のベントレー」 故エリザベス女王2世へ仕えたミュルザンヌが帰還 展示へ

公開 : 2023.11.26 07:05

ベントレーはミュルザンヌの最終モデルで、且つ故エリザベス2世女王陛下のためにオーダーメイドで製作された一台をベントレーのヘリテージ・コレクションに展示すると発表しました。室内には女王のハンドバック置き場も。

ドリームファクトリーで手作りされたミュルザンヌ

ベントレーは、ヘリテージ・コレクションに新たな名車が加わったことを発表した。そのクルマはクルーにあるベントレーのドリームファクトリーで手作りされたミュルザンヌの最終モデルで、英国王室での奉仕を終えて帰還した特注の2020年製ミュルザンヌ・エクステンデッド・ホイールベースだという。

このミュルザンヌの最終モデルは、故エリザベス2世女王陛下のためにオーダーメイドで製作されたもので、王室での使用に耐えうるよう、さまざまな特別装備が施されている。ソリッドのバーナートグリーンのエクステリア/トワインとカンブリアグリーンハイドのインテリア/バーウォルナットのウッドパネル/深いラムウールのカーペットが組み合わせられている。

ベントレー・ミュルザンヌ・エクステンデッド・ホイールベース最終モデル
ベントレー・ミュルザンヌ・エクステンデッド・ホイールベース最終モデル

加えてリアプライバシーカーテンとドアウエストレールにはめ込まれた英国王室の紋章が追加されたが、フロントセンターアームレストは、女王陛下のハンドバッグを収納する特注サイズのトレイを設置するために取り外されたという。

ブルーの前後のパトライト/サイレン/拡声器も設置され、ギアレバーの後ろにあるウォールナット仕上げのドアの下に目立たないように専用のスイッチパネルが隠されている。

ベントレーの名高い6.75LのV8エンジン/21インチアロイホイール/グリルとフロントウィングベントのクロームメッキブライトウェア/象徴的なフライングBマスコットが装備された仕様の車両は、ベントレーのヘリテージ・コレクションの3台目、そして最終型のミュルザンヌとして保存されることになったとベントレーは語る。

2010年に製造された2台目のミュルザンヌであるVIN0002、そしてベントレーのプレス用車両として使用されていた2019年モデルのミュルザンヌ・スピードと共に展示されるという。

ベントレーの104年の歴史を説明し表現する、ベントレー・ファミリーを完全に再構築するための3年間のプログラムの2年半を経て、これら3台のミュルザンヌは、拡大を続ける45台の車コレクションの一部となるとアナウンスされた。

ベントレー・ミュルザンヌの歴史

2009年にペブルビーチで発表されたミュルザンヌは、ベントレーの6.75L V8エンジン/新しいシャシー/新しいエクステリアとインテリアデザインを搭載し、ゼロから開発された。

2016年、ジュネーブモーターショーで発表された新型ミュルザンヌは、シート/ドアトリム/アームレスト/ナビゲーションテクノロジー/新型インフォテインメントシステムなど、インテリアのデザインをー新し、ラグジュアリーの水準をさらに高め、フロントエンドも、新しいグリル/ライト/新しいボンネットでアップグレードされた。

ベントレー・ミュルザンヌ・エクステンデッド・ホイールベース最終モデル
ベントレー・ミュルザンヌ・エクステンデッド・ホイールベース最終モデル

2016年、ベントレーは新型ミュルザンヌと同時に、ミュルザンヌ・エクステンデッド・ホイールベースも発表した。ミュルザンヌのホイールベースを250mm延長することで、後部座席の乗員にクラス最高のラグジュアリー体験を提供し、装飾が施された折りたたみ式ピクニックテーブル/センターコンソール/電子式レッグレスト/プライバシーカーテンを設置するスペースを確保した。

2020年にミュルザンヌに別れを告げるべく、最後の30台の「6.75エディション・バイ・マリナー」が製造され、その名前はミュルザンヌの伝説的な6.75Lエンジンに由来したものである。ミュルザンヌは10年以上にわたって生産され、7300台がクルーにあるベントレーの工場で1台1台手作りされてきた。

記事に関わった人々

  • 執筆

    AUTOCAR JAPAN

    Autocar Japan

    世界最古の自動車雑誌「Autocar」(1895年創刊)の日本版。

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