ポルシェ356の油温について

ポルシェ356は空冷エンジンのため水温計は無く、エンジンオイルの油温計が装備されています。ごく初期のプリA以外にかならず油温計がついているのは、スポーツ走行により油温が上がることがある、という意味もあります。

空冷の356エンジンはめったに油温が上昇しません。ノーマル車でレッドゾーンに入れたままで上り坂をずーっと登る、という無茶な運転をしなければ心配ありません。生産された356は、カレラも含めて馬力による熱量を計算して、クーリングファンの冷却風量が設計されているからです。
スーパーで5000回転、スーパー90なら5500回転、SCは6000回転でも、平坦な道であればオーバーヒートの傾向は出ることがないのが正常です。しかし、空気の薄い高い山、上り坂、レースやサーキット走行などでは油温は確実に上昇するでしょう。

注意したいのがチューンアップして大馬力仕様にすると、「馬力が上がった」ため「温度も上昇」します。そのため冷却不足で、負荷をかけすぎるとオーバーヒートして、結果的に壊れやすいエンジンになってしまいます。

A以後の油温計には温度の数字がありません。しかし実際には奥まったところに40度と70度の文字が入っています。これはメーターの生産時や修理時に指針位置の確認用で、ドライバーが見るためではないからです。
ノーマルエンジンで冬にのんびり走っていると70度から少しあがった80度前後であることが通常です。エンジンの設計上の通説として、70度から120度程度が磨耗の少ない適温といわれています。
356の油温はすぐに上がりますので走ってもよいのです。ただし、のんびりとですが。
高速での登り坂やサーキットではもう少し上がるかもしれません。油温計の針がいつも真ん中より右にあったら、私なら心配でその356を運転しません。
レースなどでハードな走行を続けていると油温計が右端に行ってしまい、無視すると「5分以内」にエンジンはバラバラに壊れます。
なんで知っているのか、とは聞かないでくださいね。

余談になりますが社外品(ポルシェ社の製品ではない)ですが過去にVDOのメーターには親切なタイプがありました。
皆さんの356のメーター位置と比べてご覧ください。
摂氏と華氏温度が併記されているので便利です。ご参考まで。
佐藤自動車工業所
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