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ポルシェ356 T-5からT-6へ 燃料メーター変更のワケは

佐藤自動車工業の佐藤です。
ポルシェ356は、T-6からメーター周りが近代的な様子に変わりました。
写真左側はポルシェ356Aから356B T-5の1961年式まで使われたコンビメーターです。
右側は1957年式のみに付く温度計に数字の目盛りが入るタイプです。
1957年式用は他の年式に物理的には使えますが、コンクールでは減点されますのでご注意ください。

T-6の燃料メーター・デザイン変更は、トランクの収容力を向上させるためです。
トランクの床部分を広げ、平らで薄いものなら大きなサイズが入るように変更しました。
タキシードセットなどがピッタリ収まるので、たしかに荷物は入れやすくなっています。
そのためにトランク床下にある燃料タンクの上面を平らに作り換えました。
このタンクを上から見ると「平らな」形状ですが、横から見ると逆三角形に近いのです。
上面は大きいのですが下が細くなり、一番下側の燃料出口は手のひら大の面積です。
燃料の減り方を「高さ」で測っている燃料計は誤差が出てきます。燃料が少なくなると「高さの減り方」が速くなるのです。
燃料メーターの目盛を見直すと、下の刻みが大きくなっているのはこのためです。

上の写真は1961年9月から製造された1962年式T-6のメーターで、レッドラインが付いている近代的なものです。
この年式のみ、燃料タンク下側にセンサーを付けて、さらにメーターにはレッドラインを付けて近代的にしました。
しかし、「下側」のセンサーには無理があり、ガソリンが漏れるため1年で中止。
レッドラインで「例の燃料コック問題」を解決しようとしたのですが、これも誤差が大きく問題だったと聞いています。

1962年7月からの1963年式の改良型は、センサーをタンクの上側に移設し、誤差の大きかったレッドラインも廃止されました。
こちらは356Cのメーターで、温度計のレッドゾーンは無くなりました。
356C後期の最終型のみ、電気式のタコメーターが採用されました。
最終型はタコメーター下側にスモールライト点灯時の小さなブルーの警告灯が付きます。
この警告灯はドイツなどヨーロッパの規格ですので、日本車にはありませんでした。

こちらの電気式タコメーターは、2500rpm(スーパーは3000rpm)からの「エンジンを全開にしてもいいよ」という「二重線」の警告ラインも消えています。 

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