ホンダNSX

2016.08.25

ボディ&シャシー

新型NSXは、高剛性の押出成形アルミ材を中心として複合素材のスペースフレームを採用している。軽量・高剛性、スペース効率、衝突安全性を高めるために、自動車として初のアブレーション鋳造や3次元熱間曲げ焼き入れ(3DQ)超高張力鋼管フロントピラーを導入した先進のストラクチャーだ。

アブレーション鋳造は、高強度を実現するために、鋳造時に急速冷却する技術だ。NSXのボディ開発で最も困難だったという衝突安全性を確保するために、フロントの部材を中心に採用している(図の黄色部)。

また、優れた前方視界を確保しつつルーフクラッシュ要件を満たすために用いた3DQ超高張力鋼管フロントピラーは、コンポーネントを熱して3次元成型したのちウォータージェットによって冷却する手法を取る。これによりフロントピラー構造体の幅を42x36mmに縮小し、ピラー自体も25mm狭めることに成功した。

ボディパネルは様々な種類が厳選され、ボディ四隅には軽量なシートモールディング・コンパウンド、デザイン重視のドアパネルにはハイドロ成型アルミ板、乗員足元のフロアにはカーボンファイバーを採用するなど適材適所の選択をした。これによりハイブリッド・システムを搭載しながら車両重量は1780kgに留めている。

空力面では、前方と後方のパワーユニットまわりを流れるエアは、統合的にマネジメントできると考えた。

空気流は前輪軸上のモータールームを通り、後方に抜けてダウンフォースを発生すると同時にフロント・モーターユニットとブレーキを冷却。その後、エアカーテンによってドアパネルに沿って流された空気はサイド・インテークへ引き込まれる。

ボディ下面後方にはダクトがあり、中空構造のリア・サブフレーム内に空気を取り入れる。フレームを抜けた空気流は、リアブレーキに向けて流出し、ミドシップ・レイアウトの弱点となる後輪ブレーキの冷却に使用する。

マイナスリフトの前後配分はフロント1:リア3。リアデッキをダックテール状に持ち上げ、高いパフォーマンスを発揮する配分比率を可能にした。

サスペンションはすべてオールアルミニウムで、前がロアアームをダブルジョイントとしたダブルウィッシュボーン、後ろが操舵に対する応答性に優れるインホイール・マルチリンク。ダンパーは磁性流体式のアクティブダンパー・ユニットを採用、微細な金属粒子を含むオイルを電磁コイルで制御し減衰力を瞬時に変化させる。この制御システムもホンダが独自に製作したものだ。
 
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