なぜこんなに気持ちよいのか? ルノー・アルカナ 一般道と高速道路 試乗で検証

公開 : 2022.07.25 11:40

積極的に走らせたくなる魅力がある

当日は街中から首都高速道路へと入り、東関東自動車道を通って成田まで足を伸ばした。

路面の継ぎ目が乗り心地には厳しく、様々なコーナーが存在する首都高で、アルカナは路面からの入力を見事にダンピングした。

操舵に対するフロントタイヤの狙いは正確で、僅かなダイアゴナル(斜め)ロールを伴いながら、姿勢をビタッと安定させてコーナーを曲がった。

そしてアクセルを踏み込むと、即座のレスポンスでフロントタイヤを確実に引っ張って行く。それがモーターによるものなのか、ドッグクラッチのレスポンスなのかは測りかねたが、つまりはそれだけHSGモーターの同調が優秀なのだろう。

この肉食感と、モーターライドの融合は、まさにヨーロッパのSUVを感じる瞬間だった。

高速巡航では、ハイブリッドの真骨頂を味わった。

いわゆる国産ハイブリッド車がエンジン直結で効率化を図る速度域(80-100km/h領域)においてアルカナは、完全にエンジンを停止させモーター走行した。また東関道で許される110km/h巡航でも、同じくシームレスライドをかなり長く維持した。

このときメーターでは瞬間燃費計が計測ゼロとなり、燃費は22.2km/Lをマークした。

もっとも今回は高速燃費を純粋に知るべく、一度給油してから高速道路へアクセスしている。街中も含めたトータル燃費はもう少し下回ることになるだろうが、なるほど小型車用ディーゼルエンジンに替えてルノーが選んだユニットだけのことはある。

ヨーロッパ型の高速巡航を多用するユーザーであればその実用燃費はなかなかのものではないだろうか?

何よりアルカナには、積極的に走らせたくなる魅力がある。

かなり「フレンチ」なコンパクトSUVに仕上がっている。

ルノー・アルカナ 公式サイトをみる

記事に関わった人々

  • 執筆

    山田弘樹

    Koki Yamada

    1971年生まれ。自動車雑誌編集部に在籍し、その後フリーランスに。編集部員時代にレースをはじめ、その経験をちょこっと活かして執筆活動中。でも、スピードの出るクルマは実は苦手です。2017年暮れに意を決して、憧れ続けた空冷ポルシェ911(993)を購入。消耗品の高さに都度涙を流しながらも、基本的には幸せ満喫中。最初はおっかなビックリだったけど、過走行でもポルシェは頑丈でした。
  • 撮影

    神村聖

    Satoshi Kamimura

    1967年生まれ。大阪写真専門学校卒業後、都内のスタジオや個人写真事務所のアシスタントを経て、1994年に独立してフリーランスに。以後、自動車専門誌を中心に活躍中。走るのが大好きで、愛車はトヨタMR2(SW20)/スバル・レヴォーグ2.0GT。趣味はスノーボードと全国のお城を巡る旅をしている。

関連テーマ

おすすめ記事


ルノー アルカナの人気画像