[アバルト70年の歩み]特別コンテンツ

インタビュー アマチュア集団とガスタービンカー 英国最速485.49km/hの更新に挑む

2018.02.11

苦難の末に全開走行へ

エルビントン飛行場の3000m滑走路でステイゴールドを位置につけた後、スターターを繋いでヒューっと音を立てるジェット・エンジンに点火するとトレメインは計器類のチェックを行った。

ジェットパイプの温度はピークの1000℃を示した後で、正常であることを示す650℃で落ち着いた。エンジンは40%でアイドリングし、トレメインは左足で安全ペダルを押さえながら、右足は力いっぱいブレーキペダルを踏みつけている。

コックピット右側に配置された燃料バルブの開度は100%にセットされ、スロットルは閉じられたままだ。

アフターバーナー無しでエンジン出力が100%となるようスプールさせるためにトレメインがスロットル・レバーを前へ倒すと、エンジン音が高まり、周囲の人々が後ろへ下がった。そしてスタートの合図が送られる。

トレメインが2000m先のレッドライトを見据え、路面に集中したまま「ホットショット」ボタンを押すと、エンジン最大推力1814kgを解き放つためのリヒートが始まった。

これがチームにとってエンジンをフル・リヒートで走らせる初めての機会である。2012年にコッツウォルド飛行場で初めて短い走行テストを行った時、古のロールス・ロイス・ヴァイパー520エンジンはリア・ベアリングに問題を発生させる前に330.27km/hを記録していた。

2013年、チームは代わりに2基のヴァイパー601エンジンを購入したが、その両方ともが使い物にならず、現在のヴァイパー535を調達する羽目になったのだ。このエンジンもまた問題を抱えており、アイドリング以上での走行ができなかったが、真の問題はこれを直せる知識を持った人間を探す必要があるということだった。

「チームメンバーは全員がアマチュアで、それぞれ他にやるべき仕事があるんだ」とトレメインは言う。「それに、俺たちの技術は1950年代のもので、当時のガスタービン・エンジンについて知ってる人間など残っていなかった」

しかし、トレメインはビル・スミスという自身もブルーバード・プロジェクトに参加して、キャンベルのブルーバードK7をコニストン湖から回収しレストアを行った男と出会うことができた。

 
最新海外ニュース