タフでおしゃれなアウトドア派クロスオーバー スマート「#5」初公開 年内市販化予定

公開 : 2024.04.26 06:05

スマートは新型EV「#5」のコンセプトモデルを公開した。ブランド最大となる電動クロスオーバーで、無骨な外観と高出力パワートレイン、米AMD製の高性能コンピューターを採用する。

800V駆動システムで急速充電を実現

スマートは4月23日、新型EV「#5」のコンセプトモデルを公開した。オフローダー風のデザインと新しいインテリア・レイアウトを採用している。

スマート#5はCセグメントのコンパクトクロスオーバーで、同ブランド史上最大のモデルとなる。今年後半には中国と欧州向けに量産型が発表される予定だ。

スマート#5コンセプト
スマート#5コンセプト    スマート

外観上の特徴の1つは分割式LEDライトで、メルセデス・ベンツなどの実線ライトバーとは異なる雰囲気を醸し出している。

アウトドア志向のライフスタイルを意識した無骨なデザインで、仕様詳細はまだ明かされていないが四輪駆動のパワートレインを搭載する。

量産型では吉利汽車のSEAプラットフォームを採用し、ボルボEX30ポールスター4、ジーカーXなどと兄弟車になることが有力視されている。

兄弟車との大きな違いとして、#5は800Vの高電圧駆動システムにより充電速度を大幅に向上させ、このサイズのEVでは最大級となる100kWh以上のバッテリーを搭載する。1回の充電での航続距離は550km以上(欧州WLTPサイクル)で、15分で10~80%の充電が可能とされている。

量産型には、より安価で航続距離の長いシングルモーターのバリエーションも用意されるようだ。

参考までに、既存のスマート#1は400Vの電圧システムを採用しており、充電速度は最大150kW、30分以内に10~80%の充電が可能で、航続距離は440kmである。

高性能コンピューターを搭載 AI機能強化

インテリアでは新しいダッシュボードを導入し、2枚のインフォテインメント・タッチスクリーンを1つの大きな楕円形ディスプレイに統合している。

車載コンピューターとして米国の半導体メーカーAMDのV2000プロセッサーを搭載しており、高度なAIアシスタントの導入を実現。これにより、テキストメッセージ、エアコン、ナビゲーションなどのボイスコントロール機能も向上するという。

スマート#5コンセプト
スマート#5コンセプト    スマート

デフロスターやハザードスイッチなど主要機能の物理ボタンは省略され、タッチセンサー式パネルに割り当てられる。

記事に関わった人々

  • 執筆

    チャーリー・マーティン

    Charlie Martin

    英国編集部ビジネス担当記者。英ウィンチェスター大学で歴史を学び、20世紀の欧州におけるモビリティを専門に研究していた。2022年にAUTOCARに参加。
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

関連テーマ

おすすめ記事