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2017.11.26

目指せ1600km/h ひとりの男の夢 「ブラッドハウンド」物語り

編集部より

地上で1600km/h超えを目指す、ひとりの男がいます。彼の相棒は「ブラッドハウンド」。ファクトリーを訪ね、桁外れの数字と物理の世界を覗きました。

text:Andrew Frankel(アンドリュー・フランケル)

もくじ

地上で1287km/h超える夢
ロケットとクルマをひとつに
終わりなきモンダイの山
「やってみるまで、わからない」
数字で見るブラッドハウンドSSC

地上で1287km/h超える夢

もしすべてが計画通りなら、この記事が公開されているころには、アンディ・グリーン中佐はコーンウォールにあるニュークアリー空港の2700mの滑走路で、地上最高速度記録を持つブラッドハウンドSSCのコックピットに体を縛り付け、エンジンを点火しているはずだ。

これが最初の自力走行実験であるにも関わらず、おそらく5000人の一般人が見守るだろう。

「一般の人が見ていないところで、隠れてテストすることはしないのですか?」 マシンを案内してくれたときに、チーフ・エンジニアのマーク・チャップマンに聞いてみた。

「隠れてはしません。最初の走行試験でも見学できますよ」と彼は、はっきりと答える。

もし走行試験が順調ならば、来年秋にはチームはここを引き払ってカラハリ砂漠のハクスキーンパン(南アフリカ領)に移動する。

そしてジェット・エンジンを補助するロケットを使って、グリーン中佐自身の20年来の地上最高速度記録である1228km/hを破る1287km/h以上の速度にチャレンジする予定だ。

2019年に目標の1609km/hを出せるようロケットを完全に組み立てなおす前から、このプロジェクトは10年にわたり一貫して、一般公開されている。

これには、人類未踏の記録への挑戦というだけでなく、プロジェクトの資金調達という、ちょっと気のめいる側面もある。今まで10年間にかかった費用はおよそ3千万ポンド(44億8千万円)、ネイマールの年収にも満たない。

何年も資金調達が滞ったため、進捗は本当にゆっくりしたものだった。しかし、ようやく今、何とかクルマを仕上げ、ニュークアリーまでたどり着いた。

そこでは400km/hまでしか出せないので、ニュークアリーでの成功が宣伝になって関心が高まり、資金調達に成功して南アフリカの北ケープ州までたどり着くことができるのを願うばかりだ。

リチャード・ノーブルとグリーンが2008年10月23日にかれらの計画を公表して以来、わたし、AUTOCAR英国編集部のアンドリュー・フランケルはブラッドハウンドに首ったけだ。

 
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