2015年10月 自動車販売台数ランキング

2015.11.10

新車販売は10カ月連続でマイナス。軽自動車は2桁減と販売不振が続く

日本市場における新車販売が、なかなか回復してこない。自動車業界団体がまとめた2015年10月の全体での国内新車販売は、前年同月比4.1%減の38万82台と10カ月連続での前年割れを記録。カテゴリー別では、登録車が同0.2%増の24万889台とかろうじて2カ月ぶりにプラスに転じたものの、軽自動車は同10.8%減の13万9193台と10カ月連続でのマイナスとなった。市場の動きに関して業界団体の関係者は「登録車が微増となり、全体でのマイナス幅は縮小しているものの、駆け込み需要前のレベルにはまだ戻っていない。とくに軽自動車は、地方を中心に4月の増税の影響が長引いている」と解説。今後については、「クルマに対する消費マインドは依然として低く、この傾向はまだ続きそう。東京モーターショーで注目を集めた新型車が、発売時にどれだけ受注台数を伸ばすかが市場を活性化させる鍵となるかも」と指摘した。

車名別ランキングでは、トヨタアクアが前年同月比13.8%減ながら1万5536台の販売を記録して7カ月連続でのトップとなる。続く第2位には、前月と同順位でホンダN-BOXが位置。第3位には7月にフルモデルチェンジを実施したトヨタ・シエンタがランクインした。トップ10を一覧すると、登録車は5車種で残り5車種が軽自動車。この比率になるのは2カ月連続である。また、トップ10のうち販売台数が前年実績を上回ったのはわずか3車種にとどまった。

注目の新型車の成績にも触れておこう。4月にマイナーチェンジを行ったトヨタ・カローラは、同7.6%増を記録して第7位に位置。世界観が異なる3つのバリエーションを設定した新型軽自動車のダイハツ・キャストは8895台の販売を成し遂げて第8位に入る。10月に2L直噴ターボエンジンを新搭載するなどのマイナーチェンジを実施したトヨタ・クラウンは同41.8%増を果たして第21位に、新型に移行したホンダ・ステップワゴンは同94.5%増で第23位に、ハイブリッドモデルの販売が堅調な日産エクストレイルは同58.2%増で第24位に、8月に全面改良したスズキソリオは同66.1%増で第27位にランクインした。

2015年10月 車名別乗用車販売台数ランキング (日本自動車販売協会連合会発表)

メーカー モデル 台数
1 トヨタ アクア 15,536
2 トヨタ シエンタ 10,857
3 ホンダ フィット 10,189
4 トヨタ カローラ 9,047
5 トヨタ ヴォクシー 8,407
6 トヨタ プリウス 8,070
7 日産 ノート 6,477
8 トヨタ ヴィッツ 6,155
9 ホンダ ヴェゼル 5,412
10 トヨタ クラウン 5,246
11 トヨタ ノア 5,122
12 ホンダ ステップワゴン 5,046
13 日産 エクストレイル 4,866
14 トヨタ ハリアー 4,819
15 ホンダ シャトル 4,213
16 スズキ ソリオ 3,921
17 トヨタ エスクァイア 3,866
18 トヨタ ヴェルファイア 3,825
19 日産 セレナ 3,743
20 トヨタ アルファード 3,712
21 マツダ デミオ 3,662
22 トヨタ パッソ 3,500
23 ホンダ フリード 3,039
24 スバル インプレッサ 2,818
25 トヨタ ランドクルーザーW 2,690
26 マツダ アクセラ 2,390
27 トヨタ スペイド 2,045
28 マツダ CX-5 1,781
29 スズキ スイフト 1,726
30 三菱 アウトランダー 1,586

VWとアウディの大幅減の影響で外国メーカー車の販売は10%減を記録

フォルクスワーゲンの排出ガス規制不正問題が、日本の輸入車マーケットで強い逆風となって吹きはじめた。外国メーカー車の新規登録台数は前年同月比10.0%減の1万7535台と、2カ月連続での前年割れ。日本メーカー車含でも同6.6%減の2万1068台にとどまった。市場動向についてJAIA関係者は、「フォルクスワーゲンと同グループのアウディの大幅な販売減が、全体の数字を押し下げる結果となった。とくに排気量2L以下クラスの落ち込みが激しい。ブランドイメージの悪化による買い控えが大きかったと見られる。他ブランドのディーゼル車への影響は、今のところ限定的」と解説した。

外国メーカーのブランド別成績も、大きく変動した。Cクラスなどの販売が一巡して同4.0%減(4109台)となったものの、メルセデス・ベンツが8カ月連続で首位に輝く。第2位には、新型車効果で同10.0%増(3190台)を記録したBMWが前月の第3位から浮上。不正問題の影響で同48.0%の大幅減(2403台)に転じたフォルクスワーゲンは、7年1カ月ぶりに第3位に後退した。続く第4位には、同1.0%増(1475台)でBMWミニがランクイン。同29.4%の大幅減(1403台)となったアウディは、第5位へと順位を落とした。

トップ5以外では、ボルボが同20.3%増(970台)、ジープが同17.5%増(551台)、フィアットが同20.2%増(505台)、フォードが同23.5%増(399台)、プジョーが48.8%増(369台)、シトロエンが同56.2%増(139台)、ジャガーが同98.5%増(135台)の好セールスを記録する。また、VWグループのポルシェは不正問題の影響が少なく、同69.5%増(444台)を成し遂げた。

2015年10月 車名別輸入車新規登録台数 (日本自動車輸入組合発表)

メーカー ■月 2015年累計
1 Mercedes-Benz 4,109 53,775
2 VW 2,403 46,596
3 BMW 3,190 37,230
4 Audi 1,403 25,020
5 Nissan 1,281 18,426
6 BMW MINI 1,475 16,594
7 Toyota 1,310 12,309
8 Volvo 998 10,911
9 Jeep 551 6,064
10 Porsche 444 5,324
11 Fiat 505 4,789
12 Peugeot 369 4,750
13 Renault 347 4,316
14 Ford 409 4,108
15 Mitsubishi 179 3,869
16 Land Rover 264 2,577
17 Alfa Romeo 99 2,039
18 Suzuki 756 1,897
19 Citroen 139 1,661
20 ABARTH 58 1,171
21 Maserati 108 1,107
22 Jaguar 135 1,052
23 DS 88 764
24 Cadillac 45 728
25 Chevrolet 42 666
26 Ferrari 36 646
27 Chrysler 26 397
28 Lamborghini 28 313
29 Bentley 36 297
30 Dodge 33 253
31 Lotus 17 243
32 BMW Alpina 33 240
33 smart 21 156
34 Aston Martin 9 137
35 Rolls Royce 11 135
36 Mclaren 7 66
37 Hyundai 9 56
38 GMC 5 47
39 Rover 9 38
40 Scania 8 38
41 Honda 7 33
42 Lancia 0 18
43 Pontiac 4 18
44 Hummer 2 17
45 Morgan 0 11
46 Autobianchi 1 8
47 Buick 1 7
48 MG 0 6
49 Unimog 0 6
50 Bugatti 3 5
51 Saab 0 4
52 Detomaso 0 3
53 Opel 0 3
54 Maybach 1 2
55 PROTON 0 2
56 Innocenti 1 1
57 Kia 0 1
58 RUF 0 1
52 Others 53 352
合計 21,068 271,303
文・大貫直次郎

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