シトロエンC4カクタスリップ・カール

公開 : 2016.07.15 05:30　　更新 : 2021.03.05 21:43

シトロエン

ただしステアリングが上下にしか動かせないため、納得のいくドライビング・ポジションを見出すのに時間がかかる。また、ペダルが浅い位置にセットされるため違和感を覚える。小さなカップホルダーが1つしかないのも減点ポイントである。

フロントの視界は良好だが、リア・ビューがぶ厚いCピラーのおかげで制限される点もつらい(もちろんパーキング・センサーがアシストしてくれるが)。

また後席はお世辞にも広いとはいえない。平均的な身長の筆者でも頭は天井に当たっているし、膝もフロント・シートに当たってしまうのだ。リア・ガラスがヒンジ開閉式だからフルに開けないのにも幻滅する。

トランクは大きく、深さもあるが、リップ部分が高いためライフジャケットなどの装備品の積み下ろしはやや厄介である。シートは40/60の分割可倒式であるが、倒してもフラットにならないというのも残念だ。

■「買い」か?

リップ・カールのプロダクトのファンであるならば、コンディションに左右されにくいタイヤや ‘グリップ・コントロール’ が最初からつくC4カクタスを買うのも、決して悪いものではないのだろう。しかしながらルーフ・バーは£128(1万8千円)のオプションであるし、カヤック・キャリアを追加するのにも£243(3万4千円)が掛かってしまう。テストを通して23.3km/ℓの公表燃費に近づくことはできず、なんとか14km/ℓ後半に留まったのも残念であった。

ただ、やはり個性的なスタイリングは、多くの人を惹きつけるのだろう。C4カクタスとリップ・カールが好きな人は、こちらを選ぶのではないだろうか。