BMW i3とi8のテストにAUTOCARが参加

公開 : 2013.02.26 16:21  更新 : 2017.06.01 01:47

BMWが、ハイブリッド・スポーツカーのi8と、EVのi3というiブランドを発表してもう3年となる。バッテリー・ベースのモデルとしては、ミニEとBMW 1シリーズ・アクティブEによってほぼ1000マイルのテストが繰り返し行われてきた。そして、そのテスト結果がi3にフィードバックされているのだ。

i3は今年後半に世界的なデビューを果たす予定でおり、i8も2014年にデビューする予定が組まれている。その最終的な冬のテストを北スウェーデンで行なっている。そしてそのテストにAUTOCARも参加した。

いよいよ発表まで1年を切ったi3の現在の課題点は、エレクトリック・ドライブ・システムのキャリブレーションと、コールド・スタートの適正化だ。このi3は、ミニEよりも全長で120mm長く、81mm広く、312mm高いボディ・サイズを持つ。ブートスペースは、200ℓとミニEよりも40ℓ大きい。そして、そのドライブトレーンは、1シリーズ・アクティブEと類似した搭載されている。

基本的に168bhp、25.4kg-mのパワー、トルクは、後輪に備え付けられたモーターによって伝達する。フラットなフロアにはリチウム・イオン・バッテリーが搭載される。充電はプラグインで、最大225km、通常の使用でも130kmから160kmの走行が可能だとBMWはコメントしている。

このプラグインのEVの他、BMWはi3にレンジ・エクステンダーを搭載したモデルも用意する。レンジ・エクステンダーとなるのは、モーターサイクル、C650GTから移植された650ccの2気筒エンジンだ。バッテリー・レベルが一定以下になるとこのエンジンに火が入る。このエンジンは、バッテリーの充電のためだけに使われ、タンク容量は明らかになっていないが、約320kmの走行距離をプラスするものだ。ちなみに、その価格は38,000ポンド(533万円)と、BMW 330dと同程度の価格になると予想される。

背の高いi3は、従来のBMWサルーンとは全く異なったフォルムを持つ。ホイールは19インチだが、サイズはフロントが155/70、リアが175/65というプロファイルの高いタイヤを履く。更に20インチがオプションとなる。剛性の高いカーボンファイバー製のボディのためすべてのドアはフレームレスだ。しかし、特にアメリカで厳しいサイド・インパクト・レギュレーションに併せて、プラスティック・パネルのドアにはアルミニウムのフレームが入れられている。リア・シートへのエントリーは、逆ヒンジでだが、ミニ・クラブマンのようにそのドアがどちらか一方ということはない。

インテリアは、ステアリング・コラムから生えたギアレバーと、一対のデジタル・スクリーンですべてがコントロールできる。そのため、キャビン・スペースは自由度が大きい。垂直に近いサイド・ガラスと深いフロント・ガラスの影響で、ドライビング・ポジションは眺めが良い。それは、初代のメルセデス・ベンツAクラスを思い起こさせるものだ。

ドライバーにはBMWiドライブトレーンの上級開発員であるパトリック・ミュラーが務めたが、できるだけ多くの運動エネルギーをロスなく使って加速する感じは、BMW 1シリーズアクティブEと同じだ。ドライバーがスロットルをオフにすると、モーターが発電機の役目を果たし、バッテリーに充電する。ブレーキは滅多に必要とされない。

但し、乗り心地は、このプロトタイプでは少々固いと感じられた。

しかし、凍ったスウェーデンの湖の上でのテストでは、i3がすでに高水準のドライビング・フィールを獲得していることが分かった。1250kgとボディ重量はバッテリーのお陰で重たいが、0-100km/h加速が7.2秒、60-120km/h加速が6.0秒というタイムは、ミニ・クーパーSよりも速い。但し、プロダクション・モデルの最高速はバッテリー保護のため150km/hに制限されるという。

スポーツ・ドライビングもこのi3は得意分野だ。というのも、パワーユニットの重心が低く、しかもRWDのためフロント・ホイールは駆動から切り離されるから、純粋にステアリング操作だけに集中できるからである。

「ドライブトレーンは電気ではあるけど、そのダイナミックなキャラクターはBMWの哲学に忠実だ。」とミュラーは笑いながらコメントしてくれた。

一方、i8は2014年にデビューが予定されているクルマで、フォルクスワーゲンup!並の燃費と、ポルシェ911並のパフォーマンスを両立しようとしているスポーツカーだ。もちろん、iシリーズのイメージ・リーダー・モデルだ。

2010年にコンセプト・モデルとしてデビューしてから後、スタイルには微妙な変化が施された。新しいヘッドランプが与えられ、バタフライ・タイプのドアはコンベンショナルな前ヒンジにされている。

ドライビング・ポジションはスポーツカーそのもので、深く低いダッシュボードが目に入る。

i8もカーボンファイバー製のモノコックを持ち、1480kgというボディ重量だと発表されている。エンジンは、コンパクトな1.5ℓターボ付き3気筒ガソリンを搭載する。そのエンジンは、220bhpと、30.6kg-mというパワー、トルクを6速オートマティックによって後輪に伝える。一方、i3と同じ電気モーターは、128bhp、25.4kg-mをフロント・ホイールに伝える。また、第2のモーターは、5bhpと0.8kg-mを発揮し、そのパワーを後輪に提供するだけでなく、発電機として利用される。

合計で349bhp、56.1kg-mのパワー、トルクを持つが、3つのモードのうちスポーツ・モードにセットし、スロットルを踏み込むと、ものすごい衝撃がドライバーに襲いかかる。0-100km/hが4.6秒、80-120km/h追越加速が4.0秒という数値は楽観的なものではない。実際、そのパフォーマンス値がもっと短いものになっても驚きに値するようなものではない。

雪に覆われた道ではEモードが有効だ。このモードだと、リチウム・イオン・バッテリーによって電力を供給されるモーターだけで駆動されることになる。その航続距離は32kmだ。そして、その際のキャビンは、クーペに近い静かな空間が醸し出されることになる。

ハイブリッド・モデルで重要なのは、そのパワー・ソースを如何になめらかに繋ぐアルゴリズムを造り出すかだ。そのための知的所有権を大事にしたいBMWは、一からその開発を自社で行なっているという。

ハイブリッド・モードでは4つの写真が駆動される。また、EVモードでは前輪だけを駆動する。それだけだと複雑に聞こえるかもしれないが、ドライバーは決してそれを意識することなく、継ぎ目のないスムーズなドライビングが可能なのだ。

スポーツカーというジャンルにi8は入るかもしれないが、その乗り心地は素晴らしい。BMWは4シリーズ・クーペにも似た快適さがあると主張している。

「われわれは、特定のユーザーは毎日i8を使うことを想定している。」という。そのため、高い速度域で必要とされるパフォーマンスと、充分な低速域での取り扱いの良さを兼ね備えているのだと。

価格は100,000ポンド(1,400万円)とポルシェ911カレラSに近い価格となるだろう。

このiブランドのフラッグシップの登場までには、あと1年間待たねばならない。しかし、現時点でも、目を見張るほど未来的ではあるが、速いだけのモデルではなく、毎日の足として使えるほどドライバビリティに優れ快適なクルマに仕上がっていることをわれわれは知っておかなければならない。

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