独断と偏見で選ぶ 英国版AUTOCARお気に入り50台 5〜1位 前編

2019.09.08

アクセルオンの魅力

1981年に戻って初代フィエスタの高性能モデル、XR2で旅に出たとしても、多少の違いは感じるかも知れないが、ほとんどそのキャラクターに変わりがないことを実感するに違いない。

このクルマにはひとを惹きつけずにはおかない活気が備わっており、単なる移動であってもドライバーは思わず我を忘れて、疲れ果てるまでフィエスタを思いっ切り走り廻らせることになるだろう。

フィエスタはアクセルでのコントロールが容易なモデルだ。
フィエスタはアクセルでのコントロールが容易なモデルだ。

トップ5のなかで、フィエスタはもっともアクセルで姿勢をコントロールする余地が大きいからこそ、ドライバーは思わずスロットルペダルを踏み込んでしまうのであり、われわれにとっては、このアクセルを思い切り踏み込むことができるということが、ドライビングの楽しさにとっての重要なポイントとなっている。

アクセルオフでコーナーへと飛び込み、アペックスを通過しながらアクセルオンへと移行し、場合によってはリアのスライドを許しつつ、ふたたび見事にコーナリングラインをトレースしながら矢のように脱出すれば、思わず顔には笑みが浮かぶことだろう。

3シリーズの伝統

そして、それがBMW 320dがトップ5に割って入った理由でもある。昨年のランキングでは5万ポンド以下のプライスタグを掲げたモデルだけに絞ったにもかかわらず、先代モデルはトップ10にも入ることが出来なかった。

320dにも数々の不満はある。スポーツサスペンション仕様の乗り心地は決して快適とは言えず、エンジンはそれまでのBMW製4気筒ディーゼルとは違って滑らかな回転上昇は見せてくれないばかりか、BMWの新たなインストゥルメントのレイアウトにはいまだに慣れない。

BMW 3シリーズはドライバーズカーとしての魅力を取り戻すことに成功した。
BMW 3シリーズはドライバーズカーとしての魅力を取り戻すことに成功した。

だが、こうした不満など、最新の320dが得たもの(ふたたび得たものというべきかも知れないが)が覆い隠してくれる。

連綿と続く3シリーズの歴史を知るものとして、コンパクトサルーンが必要だが運転の楽しみも諦めることのできないドライバーに、このクルマは完ぺきな選択肢を与えてくれていたのであり、さすがにE21世代の3シリーズが現役だったころは知らないが、E30やE36、さらにはE46世代までは、こうした魅力を見事に受け継ぐことに成功していた。

(5〜1位 中編へつづく)

 

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