【詳細データテスト】アストン マーティン・ヴァンテージ 磨かれたシャシー 加速も向上 室内は要改良

公開 : 2021.09.11 20:25  更新 : 2021.09.14 05:54

AMGのV8を積む現行ヴァンテージを英国編集部が絶賛して3年、走りに磨きをかけたF1エディションの登場です。シャシー性能の向上は明確で、パワーアップはわずかながら効果的。ただし室内装備は、大幅な変更が必要です。

はじめに

新たなオーナーのもと、メルセデスAMGのトップだったトビアス・ムアースCEOの舵取りで走り出したアストン マーティンは、将来に向けたさらに別のプランとヴィジョンを用意している。

実態調査には、じつに1年を要した。より効率を高め実践的になってきて、いまやより確固たるものとなった経済的基盤による成功が見込めると、ムアースが主張するまでになった。

テスト車:アストン マーティン・ヴァンテージF1エディション・クーペ
テスト車:アストン マーティン・ヴァンテージF1エディション・クーペ    MAX EDLESTON

2020年8月、CEOに就任したムアースは、きわめてとらえどころのなかったビジネスを、グローバルなスポーツカー造りへと転換させるプランを擁し、それに基づく最初のクルマをこの3月に発表した。数億円のコレクターズアイテムでも、ゼロエミッションモデルでもなく、このブランドの中心的商品である2シーターの改良版だった。

それがヴァンテージF1エディションだ。フロントエンジンのスーパースポーツであるヴァンテージの量産モデルにおける、新たな最上位グレードである。直接的な先代に当たるヴァンテージAMRより安価だが、モータースポーツとのつながりはこちらのほうがわかりやすい。F1のセーフティカーに用いられた技術を応用した市販車だ。

数ヶ月前、現行ラインナップを吟味したムアースがまずエンジニアたちに求めたのは、ヴァンテージを改良し、ドライバーズカーとしてのポテンシャルをフルに引き出すことだった。もっと速く、ハンドリングも優れたサーキットマシンに仕上げながら、妥協のない公道でのパフォーマンスも兼ね備えるクルマに仕上げるようオーダーしたのである。

その結果、アストンによれば、ニュルブルクリンクのノルドシュライフェで、通常のヴァンテージより15秒近くラップタイムを短縮したという。それも、大幅なパワーアップやハイグリップのサーキット向けタイヤに頼ったわけではない。はたして、われわれのテストでも、その速さを見せつけてくれるのだろうか。

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