アストンにマセラティ、ジャガーも 意外とお手頃?なV8スポーツ 英編集部が選ぶ旧車10台(2)

公開 : 2024.03.23 17:46

アストン マーティンにマセラティ、MGBまで多様なモデルに載る「V8」 現実的な予算で我が物になるクラシックを、英国編集部がピックアップ お好みはどれ?

ウェストフィールド Sエイト(1991〜2010年)

小さく軽量なスポーツカーのパワーユニットは、4気筒エンジンが定番。しかし、英国のウェストフィールド社は、そんな考えにとらわれない。軽量なアルミ製のV型8気筒エンジンが、スリムなシャシーに押し込まれている。

Sエイトは、1991年の発売。その頃には、ロータス・セブン由来の古い技術から、大きな進化を遂げていた。リア・サスペンションは独立懸架式。ローバー社製のV8エンジンという存在が、ケータハムとの間で悩むドライバーを惹き付ける強力な魅力になった。

ウェストフィールド Sエイト(1991〜2010年/英国仕様)
ウェストフィールド Sエイト(1991〜2010年/英国仕様)

運転体験は相当にシリアス。車重は700kg以下で、4.0L仕様の場合、0-100km/h加速は4秒台前半。後期型では4.6Lへ排気量が増え、動力性能は一層引き上げられている。

アストン マーティン V8ヴァンテージ(2005〜2018年)

ちょっと驚かれるかもしれないが、アストン マーティンV8 ヴァンテージともあろう高性能なロードスターが、2万5000ポンド(約472万円)以下で英国では探せる。生産から10年以上が経過した例では、減価償却は完了。現在は底値にあるといっていい。

とはいえ、基本的に価格帯はもう少し上にある。執筆時にこの予算内で売られていたのは、1台だけだった。

アストン マーティン V8ヴァンテージ(2005〜2018年)
アストン マーティン V8ヴァンテージ(2005〜2018年)

V8 ヴァンテージ・ロードスターの場合、MTは珍しい。殆どのモデルに、セミATのスポーツシフトが組まれている。郊外を飛ばす時は素晴らしい仕事をするが、市街地を低速でさまよう場合は、ドライバーが気を使う必要がある。

スタイリングは美しく、サウンドには聞き惚れる。ジャガー由来のV8エンジンの喜びを堪能できるのだから、多少の妥協は受け入れたいところ。

ただし、小柄なボディでも、アストン マーティンの維持費は安くない。定期的な点検整備のために、予算の積み立ては考えておきたいところ。

ジャガー Fタイプ(2013〜2024年)

ジャガーは、Fタイプをもって内燃エンジン・スポーツカーから完全に手を引くことになる。クラシックカーとして価値が高まる前に、中古車を楽しんでおくというのは、悪くない考えだろう。

Eタイプの後継車としてデザインされたFタイプは、2013年にコンバーチブルが発売。2014年にクーペが投入された。初期型に設定されたエンジンは、オーバーラン時にバリバリとサウンドを響かせる、3.0L V6か5.0L V8のスーパーチャージャーだった。

ジャガー Fタイプ(2013〜2024年/英国仕様)
ジャガー Fタイプ(2013〜2024年/英国仕様)

このV8エンジンは、575psへチューニングされたSVRから、往年のDタイプを彷彿とさせる特別仕様のプロジェクト7まで、多様なバリエーションに対応。スリリングなドライビング体験で、ポルシェ911の正当なライバルとして存在感を示した。

2024年に生産終了を控えるモデルだから、最新の技術や強みが備わる点も魅力。2015年からは、V8エンジンには四輪駆動が標準で組み合わされている。

記事に関わった人々

  • 執筆

    AUTOCAR UK

    Autocar UK

    世界最古の自動車雑誌「Autocar」(1895年創刊)の英国版。
  • 撮影

    AUTOCAR UK

    Autocar UK

    世界最古の自動車雑誌「Autocar」(1895年創刊)の英国版。
  • 翻訳

    中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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