【Mを冠する純EVサルーン】BMW i4 M50へ試乗 総合543psの四輪駆動 前編

公開 : 2021.10.23 08:25  更新 : 2021.10.25 12:07

最新の4ドアクーペ、BMW i4 M50が遂に登場。M4を超える馬力が与えられた、純EVの旗振り役の完成度はいかに。英国編集部が一般道で評価しました。

2023年末までに純EVを12車種へ拡大

執筆:Greg Kable(グレッグ・ケーブル)
翻訳:Kenji Nakajima(中嶋健治)

 
遂にこの時がやって来た、BMWのMを冠するモデルとして、初めての純EVが公道に姿を表した。ミュンヘンの高性能モデルを連綿と生み出してきた伝統を踏まえれば、BMWがi4 M50へ掛かける期待の大きさがうかがい知れる。

i4は、間もなく登場予定の2代目4シリーズ・グランクーペと関係性が濃い。そのため生産は、並行してミュンヘンで行われる。

BMW i4 M50(欧州仕様)
BMW i4 M50(欧州仕様)

先日試乗したiXのほか、既存のi3とiX3というBMWの純EVラインナップに、4ドアサルーンが加わった。2023年末までに、BMWは「i」のサブブランドを名乗る純EVを12車種へ拡大する計画を立てている。i4も、その1台というわけだ。

i4シリーズの英国での販売は2021年11月から。その1つ、i4 M50の英国価格は6万3905ポンド(971万円)からが予定されている。穏やかな動力性能を持つ後輪駆動、i4 eドライブ40は、5万3405ポンド(811万円)からとなる。

ポルシェタイカンテスラモデルSだけでなく、アウディA6 eトロンとメルセデス・ベンツEQEなど、純EV 4ドアサルーンの準備体制は整いつつある。i4の競争は厳しいものになりそうだ。

SUVのフラッグシップ、iXと同様に、i4はCLARプラットフォームを基礎とする。だが、純EVパワートレインへ対応させるために大幅な手が加えられ、フロアパンには巨大な駆動用リチウムイオン・バッテリーが固定されている。

バッテリーはシャシーの構造体としても機能するという。ボディ剛性を高めつつ、50:50の前後重量配分を維持するのにも一役買っている。

デザインは4シリーズ・グランクーペに近似

ボディの見た目は、2020年に発表されたコンセプトカーに近い。長めのボンネットを持つ、キャビンが後方に寄ったプロポーションはBMW的でもあり、4シリーズ・グランクーペとスタイリングは近似する。違いはディティールのみだ。

i4では、大きなキドニーグリルにはカバーが掛かり、超音波とレーダーを用いたセンサーが裏側に収容される。フロントバンパーは専用デザインで、エアインテークは最小限。シャープなLEDヘッドライトが、大胆なフロントマスクの印象を決定付ける。

BMW i4 M50(欧州仕様)
BMW i4 M50(欧州仕様)

ボディ側面を見ると、ドアハンドルはボディ面とフラットで、タッチセンサー式になっている。ホイールは空力特性に配慮された専用デザインで、標準は17インチから。試乗したi4 M50には、オプションの20インチ・ホイールが組まれていた。

リア側では、バンパーと一体になったディフューザーが特徴。M50の場合は、控えめなリップスポイラーがトランクリッドにあしらわれる。定番のアイテムだ。

ボディ寸法は、現行の3シリーズ比で76mm長く、25mm広く、6mm高い。全長は4785mm、全幅が1852mm、全高が1448mmとなる。ホイールベースは4mmだけ長く、2856mmある。

車内を覗いてみると、4シリーズ・グランクーペのものに手が加えられたダッシュボードに、大きなモニターが据えられている。緩く湾曲し、メーター用の12.3インチと、インフォテインメント用の14.9インチが一体となっている。

記事に関わった人々

  • 執筆

    グレッグ・ケーブル

    Greg Kable

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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