セダン・パトカー、米の定番ゆらぐ SUV台頭 警察官「早く乗り換えたいよ」のワケ

公開 : 2021.12.29 09:45

アメリカのパトカーの定番といえば、大きなセダンでしたが、SUVの勢力が増しています。現地で取材。

米国の警察車両、組織ごとに

text:Kumiko Kato(加藤久美子)

米国の警察組織は日本よりもだいぶ複雑だ。

日本は47都道府県の警察があってパトカーのデザインは基本的に上が白、下が黒のボディに警視庁、神奈川県警、北海道警察、愛知県警、滋賀県警などの文字が記されている。

アメリカのパトカーの定番といえば大型セダン。しかしSUVに置き換わりつつあります。
アメリカのパトカーの定番といえば大型セダン。しかしSUVに置き換わりつつあります。    加藤博人

「横浜市警察」や「足柄上郡警察」のパトカーは存在せず、神奈川県内の警察で使われるパトカーにはすべて「神奈川県警」と表示されている。

いっぽう、アメリカは州、郡、市それぞれに警察があり、パトカーのデザインも異なる。

一般人にとっては「市警察」が最も身近な警察組織となり、ニューヨーク市警(NYPD)やロサンゼルス市警(LAPD)などがこれに該当する。

また、これら以外に西部劇の映画などでおなじみの「Sheriff=保安官」という組織も存在する。

地方警察組織の1つで「郡の警察組織」として解釈されることが多い。

地方都市に行くほど見かける頻度が高くなるが市警察が十分に機能している大都市圏にはシェリフ自体が存在しない場合もある。

カリフォルニア州ロサンゼルス郡には2万人近いシェリフが存在しており、シェリフが使うパトカーはボディサイドに「○○○(地域名)SHERRIF」と記されている。

市警察と同レベルの権限が与えられており、捜査や取り締まりも同様におこなわれる。

そして、これらアメリカの警察組織で使われているポリスカーと言えば、長い間、クラウン・ビクトリアに代表されるいわゆる「アメ車」の大きく平べったいセダンがおなじみだった。

そのセダン型ポリスカーが近年、急激にその姿を消しつつある。何が理由なのだろうか?

SUVパトカー急増の理由は?

筆者は今年11月、2年ぶりにアメリカを訪れた。

そこでラスベガスやロサンゼルス、ニューヨークの街中でポリスカーにたくさん遭遇したわけでが、昔ながらのセダン型は激減していた。ほとんどがフォードエクスプローラーに代表されるSUVだった。この2年で一気にSUV化が加速した印象である。

「Sheriff=保安官」という組織も存在する。  地方警察組織の1つで「郡の警察組織」として解釈されることが多い。
「Sheriff=保安官」という組織も存在する。 地方警察組織の1つで「郡の警察組織」として解釈されることが多い。    加藤博人

最大の理由はフォードが2011年にアメリカ警察車両を代表する「フォード・クラウン・ビクトリア・ポリスインターセプター」(CVPI)の生産を終了したことにある。

1980年代から全米各地の警察車両として使われてきた長い歴史を持っており、アメリカのパトカーと言えばクラウン・ビクトリア、というアイコン的存在でもあった。

それが生産終了となり、新たにポリスインターセプターとして普及が始まったのがエクスプローラーに代表されるSUVだ。

正式名称は「フォード・ポリスインターセプター・ユーティリティ」とSUVであることを示す「ユーティリティ」が車名についている。

ちなみに日本で言うところの「パトカー」は、アメリカにおいては自動車メーカー各社によって呼称が異なっている。

フォード:「フォード・ポリス・インターセプター」「フォード・ポリスインターセプター・ユーティリティ」

ダッジ:「ダッジ・パーシュート」

gm:「ポリス・パーシュート・ヴィークル」(PPV)「スペシャル・サービス・ヴィークル」(SSV)

などの呼称となる。

日本車もアメリカではプリウスカムリ、アルティマなどがパトカーとして使われている。

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