ジェネシスG70 シューティングブレークへ試乗 欧州専用シャシーの強み 前編

公開 : 2021.12.29 13:45

○:優れたシャシーとスタイリング、インテリア △:物足りないパワーユニット 英国編集部が一般道で評価しました。

プレゼンス向上を狙う欧州専用モデル

上級サルーンのジェネシスG70に、シューティングブレークが登場した。ボディに手を加えたステーションワゴンとは別の、派生モデルとはいえない内容に仕上がっている。

韓国ヒュンダイ・グループが仕掛ける上級ブランド、ジェネシスのDセグメント・サルーンとなるG70は、グローバルなモデルだ。だがシューティングブレークは、欧州のみでの展開となる。今のところ、他の地域で売られる予定はない。

ジェネシスG70 シューティングブレーク 2.2d スポーツライン(欧州仕様)
ジェネシスG70 シューティングブレーク 2.2d スポーツライン(欧州仕様)

そのため、ドイツに拠点がある欧州ジェネシスの技術者たちは、乗り心地や操縦性を現地の人の好みや道路環境に最適化させることが可能となった。サスペンションやステアリング関係のハードウエアに、より入念な調整が加えられる。

もちろんG70 シューティングブレーク以外のモデルでも、トランスミッションやパワーステアリング、アダプティブダンパーのソフトウエアなどをチューニングし、その地域ごとの味付けに仕立ててある。タイヤを変更することもある。

しかし販売市場を限定することで、より深い調整が可能となる。欧州市場への本気度がうかがえる。

G70 シューティングブレークのライバルとなるのは、BMW 3シリーズ・ツーリングやアウディA4アバントなど。英国での販売価格は約3万5000ポンド(約532万円)からと、その数字も戦略的なものだ。

ハンサムで特別感のあるスタイリング

パワートレインは、4気筒のガソリンターボかディーゼルターボ・エンジンに、8速ATという組み合わせで、後輪駆動のみ。エントリーグレードは2.0Lのガソリンで、最高出力は196psを発揮する。

その1つ上に位置するのが、2.2Lディーゼルターボ。199psと44.8kg-mが与えられている。トップグレードとなるのが244psの2.0Lガソリンターボだ。こちらは0-100km/h加速を6.5秒以下でこなすという。

ジェネシスG70 シューティングブレーク 2.2d スポーツライン(欧州仕様)
ジェネシスG70 シューティングブレーク 2.2d スポーツライン(欧州仕様)

トリムグレードは、プレミアムラインとラグジュアリーライン、スポーツラインの3種類。196psのガソリンターボは、プレミアムラインのみの指定となる。

アダプティブダンパーは、ラグジュアリーラインとスポーツラインで標準。スポーツラインを選ぶと、さらに19インチホイールにミシュラン・パイロットスポーツ4Sタイヤ、ブレンボ社製のブレーキ、スポーツエグゾーストにLSDも付いてくる。

今回試乗したのは、2.2Lディーゼルターボのスポーツラインと、244psの2.0Lガソリンターボにラグジュアリーラインという2種類だった。

ルックスは、かなり欧州車風。以前のレクサスISトヨタアルテッツァ)やスバルインプレッサにあったステーションワゴンの、現代解釈にも感じられなくはない。だが、サーブジャガーアルファ・ロメオなどと同じくらい、ハンサムに見える。

太く優雅にカーブを描くCピラーや、フローティング処理のリアスポイラー、ジェネシスのトレードマークとなっている上下に別れたテールライトなど、斜め後ろからの眺めは充分に魅力的。特別感がある。

記事に関わった人々

  • 執筆

    マット・ソーンダース

    Matt Saunders

    英国編集部ロードテスト・エディター
  • 翻訳

    中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

ジェネシスG70 シューティングブレークへ試乗 欧州専用シャシーの強みの前後関係

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