当時最高の空力性能 ヴォグゾール(オペル)・カリブラ 英国版クラシック・ガイド 後編

公開 : 2022.04.10 07:06

購入時に気をつけたいポイント

エンジン

赤いヘッドカバーの付いたユニットは、モータースポーツでの活躍もあって、熱い支持を集めた。素晴らしいエンジンだからこそ、定期点検は怠りたくないところ。

16バルブ・ユニットはヘッドの亀裂、ヘッドガスケット周辺からのオイル漏れに注意したい。ターボシールも定期的に点検したいポイント。タイミングベルトは、約4万kmか5年以内での交換が求められている。

ヴォグゾール(オペル)・カリブラ(1990〜1998年/英国仕様)
ヴォグゾールオペル)・カリブラ(1990〜1998年/英国仕様)

V6エンジンの場合、タイミングベルトは約6万4000km毎、補機ベルトは約9万6000km毎、テンショナーは約16万km毎での交換が必要。履歴が不明なら、早めに交換したい。タイミングベルトと一緒に、ウオーターポンプの交換も忘れずに。

トランスミッションと四輪駆動システム

カリブラのMTはゲトラグ社製。ターボには6速が奢られている。シフトフィールに違和感がないか、クラッチの摩耗状態やフルードの劣化具合を確かめる。

トランスファーボックスが弱点。定期的にタイヤをローテーションして均一に摩耗させることで、メカニズムへの負担を軽くできる。

ボディ

ターボのカリブラを除いて、サビに悩まされることは少ないという。それでも、リアのホイールアーチやフェンダーパネル、フロントフェンダー下部とインナーフェンダー、樹脂製ボディトリムの裏側、ボンネットの両端、サンルーフ周辺などは状態を確かめたい。

少々確認しにくいが、サスペンション・マウント付近と荷室のフロア、サイドシルと車内フロア、ジャッキアップポイント、ステアリングラック・マウント、リアブレーキのバックプレート、燃料やブレーキのパイプ類もチェックポイント。

雨水等を流す、フロントガラス付け根部分に開けられたドレインホールを確認する。詰まると水が流れなくなり、バルクヘッドなどが錆びてしまう。サンルーフ用とテールゲート用にも、2つづつドレインホールがある。

インテリア

シートのサイドサポートは擦り減りやすい。天井の内張りとドアパネルは、湿気や温度変化で剥がれたり傷んでくる。

サスペンションとブレーキ

ダンパーのヘタリは想定の範囲内。ロアアーム・ジョイントは、車高が落され大径ホイールを履いているカリブラでは痛みやすい。足まわりの点検と同時に、ブレーキのチェックも忘れずに。

ヴォグゾール(オペル)・カリブラのまとめ

残念なことに、カリブラは部品不足に悩まされている。英国には、得意とする専門ショップも存在しないようだ。しかし近年、モダン・クラシックとして価値が急上昇しており、部品の再生産も一部で始まっている。

過去のオペルのスポーツモデルを見ても、カリブラの人気が下がることはないだろう。四輪駆動のメカニズムを除いて、基本的には信頼性が高く長く乗れる。

ヴォグゾール(オペル)・カリブラ(1990〜1998年/英国仕様)
ヴォグゾール(オペル)・カリブラ(1990〜1998年/英国仕様)

英国の中古車市場を探すと、状態の良いカリブラも出てくる。トリムグレードは多彩だから、お好みのカリブラを見つけるのも面白いだろう。

良いトコロ

素晴らしい見た目に、優れた価格価値。英国では限定仕様も多く登場し、同じカリブラと出会うことはまれ。オーナー自身も、正確にグレードを把握していない場合もあるようだ。掘り出し物が見つかるかもしれない。

良くないトコロ

修理部品の入手が難しい状態にあり、低コストでの維持は難しいだろう。廃車置場に放置されている例も、少なくないようだ。

ヴォグゾール(オペル)・カリブラ(1990〜1998年/英国仕様)のスペック

英国価格:1万6740〜2万2215ポンド(1994年時)
生産台数:23万8164台
全長:4492mm
全幅:1688mm
全高:1320mm
最高速度:202-241km/h
0-97km/h加速:6.2〜9.5秒
燃費:8.9-12.4km/L
CO2排出量:−
車両重量:1205-1405kg
パワートレイン:直列4気筒1998cc自然吸気・ターボ/V型6気筒2498cc自然吸気
使用燃料:ガソリン
最高出力:116ps/5200rpm-204ps/5600rpm
最大トルク:17.2kg-m/2600rpm-28.5kg-m/2400rpm
ギアボックス:5速・6速マニュアル/4速オートマティック

記事に関わった人々

  • 執筆

    マルコム・マッケイ

    Malcolm Mckay

    英国編集部ライター
  • 撮影

    ジェームズ・マン

    James Mann

    英国編集部フォトグラファー
  • 翻訳

    中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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