12気筒で出た! 新型ランボルギーニはPHEV 電動スーパーカー時代を示唆した先駆けモデル 3選

公開 : 2023.03.30 06:15  更新 : 2023.03.30 10:21

ランボルギーニ「レヴエルト」世界初公開。V12+PHEVです。そんな電動スーパーカーの先駆となったモデル3台を振り返りましょう。

アヴェンタドール後継は「レヴエルト

創立60周年という記念すべき年を迎えた2023年、ランボルギーニはあたかもそれを1つの節目とするかのように、新世代の12気筒ミドシップを発表してきた。

誰もが注目していたその名は「レヴエルト」。

ランボルギーニ・レヴエルト(2023年)
ランボルギーニ・レヴエルト(2023年)    ランボルギーニ

ランボルギーニにはこのレヴエルトによって、故パオロ・スタンツァーニが生み出した、カウンタック以来継承されてきた12気筒ミドシップの基本設計を完全に刷新している。

同時に採用されたのが、フロントに2個、8速DCT上に1個のエレクトリックモーターを組み合わせ、センタートンネルにリチウムイオンバッテリーを搭載するPHEVのメカニズムだ。

ランボルギーニはこのレヴエルトをHPEV(ハイ・パフォーマンス・エレクトリファイド・ヴィークル)と呼ぶが、それは過去に誕生したハイブリッド・スーパーカーへと向けた、きわめて“挑戦的な”呼称でもある。

ここではそんな時代の先駆けとなったライバルを簡単に解説していこう。

マクラーレンP1(2013年)

それは2010年代のことだった。スーパースポーツの世界にハイブリッドという新たなメカニズムが導入されてきたのは。

その中でもまず記憶に残るのは、2013年のジュネーブ・ショーで正式にプロダクションモデルが発表されたマクラーレンの「P1」。

マクラーレンP1(2013年)
マクラーレンP1(2013年)    AUTOCAR

すべてのデザインは機能に従うというコンセプトのもと、その機能を可能なかぎり小さく包み込むシュリンクドラップの手法を用いてデザインされたボディは、見た目にも一瞬で優秀な空力特性を予想させる。

ミドに搭載されるエンジンは3.8LのV型8気筒ツインターボ。これに197psを発揮するエレクトリックモーターを組み合わせ、システム全体の最高出力では実に916psの最高出力と900Nmの最大トルクを発揮することができた。

さらにこのP1は外部電源からも充電が可能なPHEVとして設計されており、エレクトリックモーターのみでも10km以上の走行を可能としていた。最高速は350km/h。0-100km/h加速は2.8秒でこれを達成した。

ポルシェ918スパイダー(2013年)

マクラーレンP1より早く、2010年にはそのスタディ・モデルが発表されていたポルシェ「918スパイダー」。

量産化に向けての無駄なスタディ・モデルを作ることはないというポルシェの定説からも、そのデビューがいつになるのかは大いに話題となったが、実際にそれが姿を現したのは2013年のことだった。

ポルシェ918スパイダー(2013年)
ポルシェ918スパイダー(2013年)    AUTOCAR

1969年にデビューした「917」からさまざまなモチーフを受け継いだボディーは、実にスタイリッシュな造形。もちろんそのエアロダイナミクスは十分に煮詰められている。

リアミドに搭載されるエンジンは、重量がわずか135kgという直噴型の4.6L V型8気筒。これに156ps仕様の、そして前輪駆動用の129ps仕様のエレクトリックモーターを組み合わせる。

システム全体の総出力は887ps。ミッションは7速PDKのみの設定で、最高速は345km/hを達成する一方、CO2排出量は79〜70gと驚くべき数字を両立している。この918スパイダーもPHEVであるから外部電源からの充電も可能だ。

記事に関わった人々

  • 執筆

    山崎元裕

    Motohiro Yamazaki

    1963年生まれ。青山学院大学卒。自動車雑誌編集部を経て、モータージャーナリストとして独立。「スーパーカー大王」の異名を持つ。フツーのモータージャーナリストとして試乗記事を多く自動車雑誌、自動車ウェブ媒体に寄稿する。特にスーパーカーに関する記事は得意。

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