これぞミドシップの最新進化系 ランボルギーニ・レヴエルトへ試乗 1015psのV12プラグインHV(1)

公開 : 2023.10.15 19:05

ハイブリッド化されたアヴェンタドールの後継車 NA V12エンジン+トリプルモーター システム総合1015psのスーパーカーへ英編集部が試乗

進化を重ね続けたミドシップ・レイアウト

V型12気筒エンジンを横向きにミドシップした1966年のミウラで、スーパーカーの機械的テンプレートを創出したといえるランボルギーニ。それ以来、同社は実験的な進化を量産モデルへ落とし込んできた。

1971年のカウンタックでは、V12ユニットを縦置き。前後の重量配分を改善するため、エンジンの前方へトランスミッションがレイアウトされた。1993年のディアブロ VTでは、センターデフを備える四輪駆動を採用した。

ランボルギーニ・レヴエルト(欧州仕様)
ランボルギーニ・レヴエルト(欧州仕様)

2003年のガヤルドでは、エンジンの後方へトランスミッションが移動し、長いプロペラシャフトが組まれた。同時に、ムルシエラゴアヴェンタドールでは、エンジンの前方へトランスミッションが位置するレイアウトが残されている。

ランボルギーニは、多気筒エンジンをシャシーの最適な位置へ据えるべく、多様なドライブトレインの構成に取り組んできた。理想的な四輪駆動システムも、探求されてきた。前後の重量配分と、重心高との兼ね合いも。

そして、約60年に及ぶ成果として、新しいソリューションが生み出された。同社初の量産プラグイン・ハイブリッドとして、レヴエルトは極めて重要な意味を持っている。

脱炭素化へ向けた第1歩として、電動化により走行時のCO2排出量の削減を叶えている。ウルスウラカンの後を継ぐ、次期モデルの足がかりとなるだろう。それでいて、これまでのスーパーカーの進化における最新の回答でもある。

V12は825ps パワーウエイトレシオは過去最高

ボディサイズの大きいレヴエルトは、重さから逃れることは難しい。3基の駆動用モーターと、3.8kWhのリチウムイオン・バッテリーが搭載されている。

ランボルギーニ歴代最軽量のカーボンファイバー製シャシーが開発されたとしても、アヴェンタドールより250kg重い。しかも全長は約170mm長く、全高は約25mm高い。驚くほどの成長率ではないが、明らかに重く大きくなっている。

ランボルギーニ・レヴエルト(欧州仕様)
ランボルギーニ・レヴエルト(欧州仕様)

ちなみに、フロント・サブフレームとキャビン部分のセルがカーボン製。リア・サブフレームはアルミニウム製となる。

それでも、パワーウエイトレシオは過去最高を記録している。搭載方向が180度逆転した、新開発に近いバンク角60度の6499cc V型12気筒エンジン、L545型ユニットが非常にパワフルなためだ。

同社の技術責任者、ルーヴェン・モール氏は、従来の技術をベースに新しいヘッドを載せ、吸気系を一新し、メインブロックを軽量化したユニットだと認めている。シリンダー・ボアとストロークは、先代のL539型ユニットと共有する。

高圧縮比化され、最高出力は825ps/9250rpmに達した。限定販売された、エッセンツァSCV12に並ぶ、9500rpmまで許容する。エンジンの下方にドライブシャフトは備わらず、搭載位置は落とされている。

フロントには駆動モーターが2基載り、149psを発揮。アキシアルフラックス・モーターという小型・高効率なユニットで、駆動用バッテリーはセンタートンネル内に並べられている。

記事に関わった人々

  • 執筆

    マット・ソーンダース

    Matt Saunders

    英国編集部ロードテスト・エディター
  • 翻訳

    中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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