ただし、ステアリングはやや充実感に欠ける。アルファのDNAスイッチがダイナミック・モードの場合、そのフィーリングは重すぎる。スロットルは反応が良いのだが、ステアリングとスロットルを個々に調整することができないため、ベストなのはアルファが “ナチュラル” とネーミングしたセッティングで、やや鈍いスロットルを甘受するしかない。

ただ、洗練さという意味に於いては、間違いなく合格点だ。確かに、粗い路面などではキャビンのロード・ノイズが進入し、更に風切り音も少なくないが、エンジン・サウンド自体はクルージングでは静かだった。

■「買い」か?

いくつかの欠点に目をつむり、きめ細かなディーラー・ネットワークがないことにも我慢することができるのであれば、”買い”かという質問の答えは明らかだ。しかも、ジュリエッタの中でも、この150psのスプリントは間違いなくスイート・スポットである。バランスのとれたパフォーマンスは、ロー・グレードな室内の素材と、若干狭いリアのスペースを考えても実に適正な価格だ。あらゆる意味でベストな1台かと言われれば、そうではないが、十二分に価値のある選択となろう。

(リチャード・ブレムナー)

アルファ・ロメオ・ジュリエッタ・スプリント1.4マルチエア

価格	£20,490(373万円)
最高速度	210km/h
0-100km/h加速	8.2秒
燃費	17.6km/ℓ
CO2排出量	131g/km
乾燥重量	1290kg
エンジン	直列4気筒1368ccターボ
最高出力	150ps/5500rpm
最大トルク	25.4kg-m/2500rpm
ギアボックス	6速マニュアル