マツダ、ビー・ア・ドライバー・エクスペリエンス・アット・六本木を開催

2015.07.20

マツダは、作り手とマツダファンが直接顔を会わせるイベント、ビー・ア・ドライバー・エクスペリエンス・アット・六本木を、東京都の六本木ヒルズで開催した。これは、新世代モデル開発メンバーと座談会や同乗試乗を楽しむもので、抽選で選ばれた希望者を対象に8月23日までの指定日に開催されたもの。このイベントに編集部もお邪魔してきた。

クルマが走り出して一つ目の赤信号といえば、皆さんは何をしているだろう。取材でいろいろな人の運転に相乗りするが、多くのドライバーはそこでドライビング・ポジションを修正する。乗り込むとき、シートやミラーの位置をあれほど正したにもかかわらず。しかし今日、この見解が覆された。

近年マツダは推奨ドライビング・ポジションを定めており、それは人馬一体を売りにするマツダ車の基盤となっている。イベントでは、そのレクチャーを受けてからCX-3の試乗に入る。ポジションの決め方は本来は分厚い本1冊分の文量になるので、この日は簡易手順で位置決めした。イメージとしては、”速やかに次の動作に移れる脱力状態”を生む姿勢だという。参加者の試乗の様子を後席から観察してきたが、赤信号で止まったとき、ドライバーはステアリングから手を離しかけたが、思い直したようにその手を元の位置に戻した。そして、一度もポジション修正することなくSKYACTIV-Dのトルクを終始楽しんでいた。それぞれ体格の違う参加者であっても、一発でベスト・ポジションを導き出すノウハウには感服してしまう。

後席は後席で感じたことがあった。同じホイールベースのデミオ比で位置を10mm高くし、やや中央寄りにしたリアシートは、前席の人と会話しやすく見晴らしがいい。デミオの後席に比べてCX-3では尻のおさまりが良かったことを伝えると、その場で開発担当が種明かしをしてくれた。なんでも、リアは座面のかまぼこ型デザインの谷を深く見せるために表面を10mm多く盛ってあり、その下のウレタンも厚くしているとか。CX-3でドライブに出かけるファミリー層を意識して、会話が弾み、後席の同乗者にも高品質を味わってもらえるよう工夫したという。

開発現場に息づくこうした設計思想は、パンフレットやメディアの情報だけで理解するのは難しい。それを自分の身体で体感して、立ち話でもするように開発陣に確認できる。こんなイベントを仕掛けるマツダには、彼らのクルマ造りに対する自信の表れを感じた。

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