さながら現代版「ホットハッチ」! 新型BMW X2 M35iへ試乗 300ps直4ターボx専用シャシー

公開 : 2024.03.08 19:05

2代目へモデルチェンジしたクーペ風SUVのX2 最高出力300psに積極的な回頭性 0-100km/h加速は0.4秒ダウン 確かなグリップとトラクション 英国編集部が評価

0-100km/h加速は0.4秒ダウンの5.4秒

BMWのクーペ風SUV、X2が2代目へモデルチェンジした。バッテリーEVのiX2と並行して売られ、強力なラインナップの一翼を担う。今回試乗したのは、内燃エンジン版を力強く牽引する、四輪駆動のX2 M35iだ。

これは新型のフラッグシップで、フロントに横向きで載るのはB48型ユニット。可変バルブ/カムシャフト・タイミング機構を採用した2.0L 4気筒ターボガソリンは、最高出力300ps、最大トルク40.7kg-mとたくましい。

BMW X2 M35i(欧州仕様)
BMW X2 M35i(欧州仕様)

ただし、最新の排出ガス規制に合わせて、初代のX2 M35iより僅かにパワーダウンしている。最高出力で見ると、6ps低められた。

最大のライバルとなる、メルセデスAMG GLA 35は306ps。マイルド・ハイブリッドで、燃費も意識されている。BMWも採用を考えて欲しいところだ。

英国へやってくるX2は2種類。1.5L 3気筒マイルド・ハイブリッドのX2 sドライブ20iが、M35iの下に据えられる。こちらは前輪駆動で、価格は3万9365ポンド(約744万円)に設定された。

X2 M35iのオートマティックは、8速のトルクコンバーター式から、7速のデュアルクラッチ式へ変更。M仕様の機械式リミテッドスリップ・デフを装備する。

ボディサイズは、全長4554mm、全幅1845mm、全高1590mm。初代より200mm長く、64mm高い。車重は75kg増えた。僅かに減った最高出力もあって、0-100km/h加速は0.4秒遅くなり5.4秒。249km/hの最高速度に変わりはない。

レスポンシブな4気筒 シャシーは専用設定

4気筒ターボは、従来どおりレスポンシブ。2000rpmから4500rpmとトルクバンドが広く、6800rpmのレッドライン目がけて、速度域を問わず積極的にパワーが展開される。スムーズな質感と相まって、運転の楽しさを引き立てている。

7速デュアルクラッチATは、X1 M35iから改良を受けており、高負荷時のシフトアップも迅速。トルクコンバーターの、市街地での滑らかさには及ばないが。高回転域まで引っ張れば、排気音が心地いい。

BMW X2 M35i(欧州仕様)
BMW X2 M35i(欧州仕様)

ステアリングホイール裏にはシフトパドルが備わり、左側はMスポーツ・ブースト機能のスイッチにもなっている。1秒ほど連続して引くと、パワートレインとシャシーが最もパフォーマンス重視のモードへ切り替わる。

ホイールベースは、初代から22mm伸びて2692mm。前後のトレッドも広げられ、より地面に踏ん張るようなスタンスとなった。

さらにX2 M35iでは、シャシーまわりも特別。サスペンションは、前がマクファーソンストラット式で、後ろが3リンク式。ツインバルブダンパーには、減衰力調整システムも実装する。ボディ剛性を高める、エンジンルーム・ブレースも備わる。

アルミホイールは20インチが標準で、ピレリPゼロのタイヤサイズは245/40。オプションで21インチも選べる。

記事に関わった人々

  • 執筆

    グレッグ・ケーブル

    Greg Kable

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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