BMWのクーペSUVにEVも出た! 新型iX2 xドライブ30へ試乗 シングルモーターの方がベター?

公開 : 2024.03.12 19:05

新しいX2のEV版となるiX2 xドライブ30は期待を裏切らない動力性能 iX1で見慣れた光景のインテリア 僅かにダルなステアリング 英国編集部が評価

スポーティな見た目を裏切らない動力性能

2025年に発売予定の次世代BMW、ノイエクラッセ・シリーズは、バッテリーEV専用のプラットフォームを採用する。それまでは、マルチパワートレイン戦略に則り、内燃エンジン版と基礎骨格が共有される。

今回のiX2は、既存のiX1と同じUKLプラットフォームがベース。その名前のとおり、2代目X2のバッテリーEV版となる。3代目のミニ・カントリーマン(旧クロスオーバー)とも、血の繋がりは濃い。

BMW iX2 xドライブ30(欧州仕様)
BMW iX2 xドライブ30(欧州仕様)

内燃エンジン版と電気モーター版を併売することで、市場によって大きく速度感が異なる、自動車の電動化へ柔軟に対応できる。英国でも両者を選べるが、販売の92%はiX2が占めると予想されている。

かなりの割合に思えるが、これは2030年代初頭までを見据えた数字。その頃には、殆どの新車がバッテリーEVになっているはず。

iX2の全長は4554mm。iX1より54mm長い。ホイールベースは2692mmで、タイヤはボディの四隅へ位置する。内燃エンジン版との見た目の違いは、かなり限定的だ。

駆動用バッテリーの容量は66.5kWhで、フロア下に敷き詰められる。フロントアクスルを駆動するシングルモーターのほか、リアアクスルにも追加される、ツインモーターも用意される。

当初用意される、シングルモーターのiX2 eドライブ20 Mスポーツは、203psと25.3kg-mを発揮。試乗車だったツインモーターのiX2 xドライブ30では、312psと50.2kg-mまで向上する。スポーティな見た目を裏切らない、動力性能といえる。

iX1で見慣れた光景のインテリア

航続距離は、iX2 eドライブ20で478km。xドライブ30では428kmへ短くなる。SUVとしては低めのボディのおかげで、iX1より約9km長い。

iX2 xドライブ30の電費は、カタログ値で4.5-5.6km/kWh。今回はポルトガルの一般道で試乗したが、現実的な距離は350km前後のようだ。急速充電能力は、最大130kWまで。韓国のジェネシスGV60は260kWへ対応しており、際立つ性能ではない。

BMW iX2 xドライブ30(欧州仕様)
BMW iX2 xドライブ30(欧州仕様)

インテリアは、iX1で見慣れた光景。望ましい位置に操作系がレイアウトされ、シートは座り心地が良い。複数のトリムグレードを選べ、一部は若者を強く意識しているが、プレミアムな雰囲気では共通する。装備は充実しており、スポーツシートも標準だ。

リアシート側の空間は、クーペ風のルーフラインを考えれば、高さ方向にも余裕がある。荷室容量は525Lと充分だが、内燃エンジンのX2よりは小さい。実際の使い勝手では、スクエアな形状のiX1が勝ると思うものの、強い不満は出ないだろう。

インフォテインメント・システムも、基本的にiX1と同一。英国仕様はライブコクピット・プラスが標準で、10.25インチのメーター用モニターと、10.7インチのインフォテインメント用タッチモニターが滑らかに弧を描く。

ロータリー・コントローラーがなく、システムの操作には若干のもどかしさを伴うが、最新バージョンは直感的。音声操作システムも利用可能で、USBポートも多数ある。

ちなみに、インフォテインメント用モニターではゲームも遊べる。手持ちのコントローラーを接続できるという。

記事に関わった人々

  • 執筆

    ジェームス・アトウッド

    James Attwood

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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