新型BMW X2 大きく進化したクーペSUV 初のバッテリーEV「iX2」は航続距離449km

公開 : 2023.10.12 06:25

・BMWの小型SUV、X2がフルモデルチェンジして第2世代に。
・スポーティなクーペスタイルにデザイン一新。サイズも拡大。
・バッテリーEVとしてiX2も導入。1回の充電での航続距離は最長449km。

クーペスタイルに大進化

ドイツの自動車メーカーであるBMWは、小型SUVのX2の第2世代モデルを正式発表した。先代モデルより大きく、またスポーツ性を強調するクーペSUVとなった。

新型X2の英国価格は3万9365ポンド(約720万円)からで、上位グレードのM35iは4万7395ポンド(約865万円)から、初導入のEVのiX2は5万6540ポンド(約1030万円)から。欧州や米国では2024年3月から納車開始予定。

BMW iX2
BMW iX2    BMW

新型X2のボディサイズは全長4554mm(先代から194mm拡大)、全幅1845mm(21mm拡大)、全高1590mm(64mm拡大)となる。サイズアップに伴い、トランク容量は560(iX2は525L)に拡大され、後席乗員のレッグスペースも広くなった。

BMWの特徴であるキドニーグリルも大型化し、アイコニック・グローと呼ばれるLEDデイタイムランニングライト(オプション)が新たに追加された。グリルには、不要時に自動的に閉じる可動式冷却フラップも装備され、エアロダイナミクスを向上させている。

EVのiX2では、グリルが完全に密閉され、エアロダイナミクスがさらに向上し、航続距離の延長に貢献している。アンダーボディの空力対策もあり、空気抵抗係数はガソリンモデルより0.02低いCd値0.25となり、航続距離は最長449km(WLTPサイクル)とされている。これは、プラットフォームを共有するiX1より高い数値だ。

DC充電器での最大充電速度は130kWであり、一部のライバルに比べると遅い。しかしBMWによると、ソフトウェアを改良したことで、従来のEVよりも安定したフル充電が可能であるという。従来の「段階的」な充電システムとは異なり、バッテリーが満充電に近づくにつれ、より滑らかな下降曲線を描くため、50%からでもフル充電が可能とされる。

EVモデルは航続距離最長449km

iX2の回生ブレーキにも同様のアダプティブ機能があり、交通状況に応じて回生力を積極的に調整する。ブレーキ時には最大120kW(通常の減速時には60kW)の電力をバッテリーに供給することが可能で、その強さはタッチスクリーンから手動でオーバーライドすることができる。

iX2は2基の電気モーターを使った四輪駆動方式を採用し、最高出力313ps、最大トルク50.3kg-mを発生し、0-100km/h加速を5.6秒で駆け抜ける。

BMW X2 M35i
BMW X2 M35i    BMW

新型X2のラインナップで最速のモデルは、ガソリンモデルのM35iだ。最高出力300psと最大トルク40.8kg-mを発揮するターボチャージャー付き2.0L 4気筒エンジンと7速AT、そして「トラクション、操縦安定性、コーナリング・ダイナミクスを最大化する」という機械式リミテッド・スリップ・ディファレンシャルを搭載。0-100km/h加速は5.4秒で、これはフォルクスワーゲン・ゴルフGTIよりも速い。

また、フロント部分にブレースを追加するなど、シャシーにもいくつかの改良が施され、ステアリング・レスポンスが向上したという。M仕様のフロント385mm、リア330mmの大型ブレーキが装着される。インテリアでは、アルカンターラのバケットシートを装備している。

10.25インチのデジタルメーターディスプレイと10.7インチのタッチスクリーンは全車に標準装備となる。幅広いデジタル・サービス・サブスクリプションの一部として、BMWの新しいAirconsoleサービスが搭載され、車内のスクリーンでゲームをプレイすることができる。

記事に関わった人々

  • チャーリー・マーティン

    Charlie Martin

    英国編集部ビジネス担当記者。英ウィンチェスター大学で歴史を学び、20世紀の欧州におけるモビリティを専門に研究していた。2022年にAUTOCARに参加。
  • 林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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