BMWの屋台骨がモデルチェンジ間際! 次期「X3」の試作車へ試乗 ノイエクラッセXと差別化

公開 : 2024.04.20 19:05

2024年末にモデルチェンジ予定にある、中型SUVのX3 エンジン版がまだ販売の大多数 M50 xドライブも登場 車内の広さは殆ど変わりなし 英国編集部が試作車へ試乗

まだ内燃エンジン版がX3の販売の大多数

最近のBMWといえば、バッテリーEVによる新ラインナップ、ノイエクラッセが話題だ。iX3の後継モデル、ビジョン・ノイエクラッセXも発表されている。かといって、化石燃料を燃やして走るX3が、2025年にカタログから消えるわけではない。

むしろ販売割合の大多数を、未だに内燃エンジン版が占めている。2024年末に、この中型SUVは4代目へバトンタッチする予定だ。

BMW X3 M50 xドライブ(プロトタイプ)
BMW X3 M50 xドライブ(プロトタイプ)

次期X3が基礎骨格とするのは、3代目と同じCLARプラットフォーム。完全な新世代というわけではない。それでも、開発を率いるマーティン・デリッツ氏は、大幅なアップデートを強調する。

「シャシーを含む多くを再設計し、より幅の広い運転特性の獲得と乗り心地の向上を目指しました。電動アーキテクチャも新しくなります。高度な運転支援システムも提供できる予定です」

今回試乗した4代目X3のボディは、しっかり保護フィルムで偽装されていた。しかし、見た目は話題のノイエクラッセXと異なることは明らかだ。

キドニーグリルはワイドになり、ボンネットの位置は高くなり、ホイールアーチは強調され、ルーフはなだらかに弧を描く。つまり電気モーター版のiX3と、内燃エンジン版のX3は、しっかり差別化されることになる。

全長は4755mm、全幅は1920mmとされ、現行型から42mmと23mm大きくなる。他方、全高は1676mmから1660mmへ低くなる。トレッドは拡幅されるが、ホイールベースは2865mmで変わらない。

車内の広さは殆ど変わりなし M50 xドライブも

車内も偽装されていたが、メーター用とインフォテインメント用のモニターパネルがダッシュボード上に載るのは間違いない。iドライブ・システムはアンドロイド・ベースで、ロータリー・コントローラーがセンターコンソール上に残されている。

ステアリングホイールは、最新のBMW 5シリーズと同じアイテムだが、スイッチ類は省略される。センターコンソールは一新され、シフトセレクターはトグル状。スマートフォンの無線充電パッドに、カップホルダー、USBポートが用意される。

BMW X3 M50 xドライブ(プロトタイプ)
BMW X3 M50 xドライブ(プロトタイプ)

内装は高級感を増したそうだが、目隠しが掛けられ、素材は確かめられなかった。運転姿勢は、このクラスのSUVとしてはスポーティ。フロントシートは再設計され、調整域が広い。ボンネットの位置が高く、リアガラスは狭め。視界は現行より悪いようだ。

車内の広さは、殆ど変わりない。ファミリーSUVのユーザーが、必要とする実用性は確保されている。荷室容量は20Lプラスの570L。リアシートは40:20:40で折り畳め、1700Lへ荷室を拡大できる。

英国仕様は、4気筒ガソリンのxドライブ20、4気筒ディーゼルのxドライブ20d、プラグイン・ハイブリッドのxドライブ30e、6気筒ガソリンのM50 xドライブという4種類。共通して8速ATが組まれ、プラグイン以外でもマイルド・ハイブリッドを採用する。

今回用意されていたのは、xドライブ30eとM50 xドライブ。フランスの一般道も走ることができた。

記事に関わった人々

  • 執筆

    グレッグ・ケーブル

    Greg Kable

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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