2024年版 ドライバーを虜にする高性能SUV 10選 走りも実用性もスキなし

公開 : 2024.01.13 18:05

・スポーツカーに勝る加速性能とハンドリングを手に入れた高性能SUV。
・実用性も高く、日常生活にすんなり溶け込むモデルを10台紹介。
・欠点の少ないオールラウンダー、強いて言うなら価格がお高め……。

実際に試乗してわかった「オールラウンダー」

「高性能SUV」を矛盾した存在と考えるか、異端とするか、あるいは究極のオールラウンダーと捉えるか。もはや、このような議論も目立たなくなってきた。それだけ現世に馴染んできたということだろう。

背が高く重たいSUVは本来、スポーティな走りには向かないはずなのに、多くの人がショールームに駆け込み、0-100km/h加速タイムよりも速く飛び出してくるのである。力強さと実用性の融合により、さまざまな生活スタイルにすんなりと溶け込むことができるのだ。

AUTOCARが試乗した中から、10車種の高性能SUVを厳選する。
AUTOCARが試乗した中から、10車種の高性能SUVを厳選する。

重心の高さなど関係ないかのように、多くのモデルは安定して、正確に、そして堂々と走る。さらに、ラグジュアリーなキャビン、遠くまで見渡せる運転視界、四輪駆動による安心感など、さまざまな特典もある。ある程度のオフロード走行も可能で、欠点を探す方が難しいかもしれない。

そこで今回は、欧州で販売されている高性能SUVからトップ10を厳選して紹介したい。時期や装備によって多少変動するが、価格の上限は10万ポンド(約1800万円)程度とした。ランボルギーニウルスのような「スーパーSUV」については、また別の機会に取り上げる。

1. ポルシェ・マカンGTS

長所:速さ、室内の広さ、ダイナミクスと優雅さの理想的なブレンド、クラス最高峰のハンドリング
短所:重さを感じる。発売からもう10年近く経つ。

スポーツカーをこよなく愛する人たちから尊敬を集めるSUVがあるとすれば、それはマカンGTSだろう。ポルシェのエントリーモデルとして、誕生から10年近く経過しているにもかかわらず(ベースは2008年登場のアウディQ5と共通)、加速性能、室内の広さ、優雅なダイナミクスを融合させ、SUV市場における1つの基準となっている。トレンドに後ろ向きな人でさえも、乗れば納得してしまうほどだ。

1. ポルシェ・マカンGTS
1. ポルシェ・マカンGTS

新しいEV仕様の導入を目前に控える中、現時点でのトップグレードであるGTSは、最高出力445psの2.9L V6ターボを搭載している。0-100km/h加速はわずか4.5秒、最高速度は275km/hに達する。

サスペンションは標準車よりローダウンされ、改良が施された結果、まるで小さなホットハッチに乗っていると錯覚させるような、軽快なドライビング・エクスペリエンスを生み出している。物理学の常識を覆すような奇想天外な走りぶりだ。ステアリングもまた、ポルシェのスポーツカーらしい重みとレスポンスがあり、一方で乗り心地はクッション性に富んでいる。

エアサスペンションと豪華なインテリアを備えたマカンGTSは、高級セダンのようにリラックスして長旅を楽しむことができる。今回取り上げた他車ほど広くはないが、それでも十分なスペースが確保されているので、不満はほとんどないだろう。もし、SUVを1台だけ所有するとしたら、このクルマを選びたい。

記事に関わった人々

  • 執筆

    ジェームス・ディスデイル

    James Disdale

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    平成4年生まれ。テレビゲームで自動車の運転を覚えた名古屋人。ひょんなことから脱サラし、自動車メディアで翻訳記事を書くことに。無鉄砲にも令和5年から【自動車ライター】を名乗る。「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。イチゴとトマトとイクラが大好物。

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